CHOCOLATE SOLDIERS 12 - Valentine's Day 2016 -2016-07-02 Sat 13:00
こんにちは、ももこです。
バレンタインSS12話、やっと出来たのでUPします。 今回で終わりです~~~やっと~~~~長かった~~~~~ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3=3 今回が一番書けなかったというか、纏めるのに苦労して結局完徹です……まあ今日からまた三日間お休みだから良いんだけどね(´ω`人) また後で見直し入ると思いますが……後半は急いで書いたので、もしかしたら話の繋がりがしっくりこないかもしれません。 あとでがっつり修正入れますが、話の流れは変わりませんので、ご興味のある方はご覧下さいませ(*^_^*) 今回のSSでやりたかった事は全部詰め込んだ……クラウドのアレとか……シリアスにいきなりギャグぶっ込むとか……荒業だらけだな(^_^;) 元々小説書きではない初心者が書いたものですので、生暖か~い目で見てやって頂ければと思います(^_^;) それではまた来ますね! これから寝ます~もう目がしょぼしょぼ~(´;ω;`) 今回のSSについて、後で自分設定の補足とかちょこちょこUPしていくかもしれません。 エアリス絡むと本当表現が難しい……(^_^;) ではでは! 拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*) 【Warning!】バレンタインSS最終話です。DC後設定のティファ視点。今回もティファ泣きっぱなしです。…そして、何とあの彼までも…!!基本シリアスですがギャグっぽい感じも多少有ります……ちゃんぽんみたいな感じです(^_^;)何はともあれ、これで完結です。長い間お付き合い頂き、本当にありがとうございました!少しでも皆様の萌えの足しになってくれれば嬉しいです(*^_^*) With all my love on Valentine’s Day. "バレンタインにすべての愛をこめて" CHOCOLATE SOLDIERS 12 互いの気持ちを確かめ合うように。 深く、深く、唇を重ねる。 角度を変え、形を変え。 溢れ出す想いを舌先に乗せ、吐息と共に贈り合う。 それは、二人だけの魂の交感。 「…、…」 小さな水音を鼓膜に残し、解かれる唇。 「………これで伝わっただろうか。……俺の気持ち……ティファに」 頬を伝い落ちる雫をその指先で掬い、そっと跡を撫でる。 止め処なく流れるそれを止めるように、頬全部を大きな両の掌に包み込まれた。 こつんと、額が触れる。 「……ティファ?」 呼ばれて、瞼を開く。 こんなにも近い距離なのに、眼の前を覆う涙で彼の表情が良く見えない。 それでも、聴こえる静かな声音は、穏やかで優しい彼の笑顔を水の膜の向こう側に描いてくれる。 ふと、今の自分はどんな表情を見せているのか考えてみた。 「……泣き過ぎだ」 少し、苦笑を含むクラウドの声が聴こえる。 頬を包む掌を流れていく熱い水。 重なる掌底に雫が溜まり、それが指の間を伝ってぽたぽたと膝の上に滲みを作っていくのが分かる。 ───クラウドのせいだよ。 そう言いたくて口を開くけれど、それは込み上げる熱に奪い取られて失敗した。 忙しなく跳ねる呼吸の中、思うだけで。 きっと、今の私は今までで一番酷い顔を彼に晒しているに違いない。 今すぐ隠してしまいたい。 それなのに、拘束する彼の両手を払う事が出来ない。 真正面にある彼の眼差しを、そのままで受け止めていたい。 「……クラ、ウド……」 痛む喉からやっと絞り出した声は、やっぱり掠れていた。 「ティファ」 鼻先が触れ、彼を濡らす。 触れた弾みで瞼の縁に溜まったそれがほろりと零れた。 眼の前がクリアになる。 そこに広がる鮮やかな彼の瞳が、私の世界を包み込む。 「……ありがとう……」 頬を包む彼の指先に触れる。 「どういたしまして」 見つめる唇が、嬉しそうに微笑った。 ───エアリス………ねえエアリス。 閉じた瞼の裏側で、想い出の中の彼女に呼びかける。 『なあに?ティファ』 応えるように、左の小指に春色の柔らかな風が触れた。 ───私……彼の気持ちを素直に嬉しいって思ってる。あなたの気持ちを知っている癖に……酷いよね。こんな私を……あなたは軽蔑する? 『ねえ、ティファ。どうして、そんなふうに思うの?』 ───だって……。 『ん~?』 ───私……クラウドの言葉を貰って、今、初めてあなたを越えられた気がしたの……。ずっと……ずっと、あなたには敵わないって……思ってた……。クラウドがあなたに向ける眼差しを……笑顔を……ずっと羨ましいって思ってた……。 『ふふっ』 ───エアリス……? 『ティファったら、全然分かってない。越えたかったのは、わたしのほう。クラウドは最初から、あなたを気にしてたよ?』 ───え…? 『わたし、そういうの、わかっちゃうの。隣でいつも、彼を見ていたから』 ───………。 『でも、彼が話しかけようとすると、ティファはすぐ眼を逸らしてた。逸らして、俯いて、背を向けてた。そんなあなたの背中を見つめて、彼もあなたから眼を逸らしたの』 『ティファにあげるはずだった笑顔、宙ぶらりんのまま、彼はわたしに預けてた。でも、それでもわたし、嬉しかった。だってわたし、彼の笑顔が見たかったから。彼の笑顔が、欲しかったから。彼が笑ってくれるなら、あなたへ向けるはずの笑顔だって、喜んで受け取った』 『いつか彼が、わたしだけの笑顔を向けてくれるなら』 『それでも良いって、思ったから』 ───……っ。 『わたしこそ、あなたを越えてみたかったんだよ……ティファ』 初めて知った、エアリスの想い。 溢れる涙が止まらない。 ───エアリス……っ、エアリス……私……! 『やだ、ティファ。泣かないの。クラウド、水浸しになっちゃう』 そう言って、エアリスが軽やかに微笑う。 『わたし、あなた達の幸せを応援してる。だってわたし、彼と同じくらい、あなたが大好きなんだもの』 『だからもう、わたしのこと、気にしなくていいんだよ』 『彼の笑顔、やっぱりあなたが、受け止めてあげなくちゃ、ね?』 ───……エアリス……。 ふわりとした空気が肌を包み込む。 仄かに香る、花の香り。 柔らかな感触が、髪を撫でる。 『………ね、ティファ。あの約束、覚えてる?』 ───………うん。 『今から叶えても、良いかな?』 ───……、……うん。 『ありがと。ティファ……大好き』 ───っ、…私も…っ…! 溢れる想いに、ぎゅっと結ぶ瞼の上。 羽根のような空気が触れる。 それはまるで、彼女からの口付けのよう。 『ティファ。クラウドと幸せに、ね』 ───……エアリス……ありがとう……。 『はい、どういたしまして』 鮮やかに開く花の笑顔が、そこに咲いた。 「ティファ」 呼ばれて、ゆっくりと瞼を開ける。 「……クラウド……?」 「大丈夫か?」 「え…?」 「さっきから、ずっと泣きっぱなしだから…」 「あ…ごめんなさい……」 「いや…」 心配そうに見つめるクラウドに小さく首を振りながら、指先で涙を拭う。 それでも、後から流れてくる雫を、今度は彼の指が吸い取る。 「…、…ティファ」 そのまま、彼の唇がもう一度重なる。 触れるだけの、それ。 何度も繰り返し、その間に彼の指先が涙の跡を消すように、濡れたそこを優しく撫でる。 「……、…」 何度目かの交感を終え、彼の唇が頬に滑った。 睫毛に滴る雫を吸い取る。 「……クラウド」 「ん?」 「私……あなたに伝えなければならない事があるの……いいかな」 「俺に?……何?」 唇は未だ濡れた目元に置いたまま、彼が静かに窺う。 「大事な事なの……」 「……」 す、と、唇が離れる。 瞼を開け、頬を包む彼の手に触れると、名残惜しそうにその手が離れた。 身体を傾け、静かに見つめている彼の瞳を受けながら、カウンターの上にある彼女のグラスへ滑らせる。 「ティファ?」 「……あなたは、受け取れないって……言ったけど……」 細い脚を指先に取り、持ち上げる。 桃色のリボンがひらりと舞う。 「それでも……二人であなたに伝えようって、約束したから……これだけは聞いてほしいの」 キラキラと、仄明るい照明に揺らめく琥珀色のそれ。 彼と私の間に立ち、甘くほろ苦い香りが私達二人を包み込む。 「エアリスから、あなたへ」 「彼女の、初めてのバレンタインメッセージ」 碧い瞳が大きく瞬く。 「───クラウド」 "クラウド" "素敵な恋を、ありがとう" "あなたに逢えて、よかった" 「───」 「エアリスの気持ち、あなたに伝わった……?」 「…クラウド?」 ───ぽたり、と。 透明な雫が、一粒落ちる。 「……ああ」 「………そっか」 グラスを傾け、煌く琥珀を口元へ運ぶ。 こくりと一口含めば、甘くほろ苦いそれがいっぱいに広がった。 カウンターにグラスを置き、伸ばした両手で、今度は彼の頬を包み込む。 指先に、温かな雫が触れる。 こつんと額を合わせ、眼を閉じた。 「……甘いな」 「私達二人分の気持ちが入っているんだもん。当たり前だよ」 「ああ……そうだな」 重ねた唇を離し、二人で小さく微笑い合った。 「…なあ、ティファ。エアリスは……他に何か言ってたか?」 中身が透明になったグラスを指先で遊ばせながら、クラウドが問う。 甘い琥珀色をした彼女の心は、幾度もの口付けと共に彼の元へと贈られた。 「私を幸せにしないと、承知しないって」 「………それは責任重大だな」 苦笑と共に、クラウドが肩を竦める。 「……あのさ、ティファ」 「なに?」 グラスから離された指先が私の顎の先に掛かる。 滑るように頬に渡り一撫でした後、左手に降りた。 一つの、指の付け根に触れる。 そこに輝く、一粒の光。 彼が持つ二つの碧ともう一つ。 彼がくれた、三つ目のサファイアブルー。 「必ず、幸せにする」 ちゅ、と、落とされる唇。 「…っ、うん…、楽しみに、してる……」 「ああ、期待していてくれ」 誓いの証を濡らす雫。 飛沫が散らす、碧い光がキラキラ弾けて空気に溶けた。 「……そろそろ休もう」 彼の声に壁に掛けてある時計を見れば、時計の針は一回り進んでいた。 「うん……あ、クラウド、先にシャワー入るでしょ?」 クラウドの膝の上から降り、続けて椅子から立ち上がる彼に声を掛ける。 「ああ。……ティファ」 「何?」 「せっかく二人きりだし……たまには一緒に入らないか?」 「!!入りません!!」 何食わぬ顔でとんでもないことを言うクラウドの提案を即座に却下し、彼に背を向ける。 火照った顔が熱い。 後ろで今日二度目になる盛大な溜め息が聴こえたけれど、それもまた聴こえないふりをして熱い頬を両手で煽いだ。 「……分かった。じゃあ先に入るけど、いいか」 「ど、どうぞ」 しどろもどろになりながらカウンターのグラスを片付けていると、背後からクラウドが顔を近付けてきた。 耳元で、悪戯っぽく彼が言う。 「その代わり、もう一つのプレゼント、期待してる」 「……!」 クラウドに贈るもう一つのバレンタインプレゼント───エッジに住んで間もない頃、遠い異国に故郷を持つ忍びの少女から突如手渡された新居祝い。 「今夜は、あのネグリジェで」 「………」 「良いよな?」 「……いいよ」 私の返事を聞くや否や、足早にカウンターを後にする彼。 (……また明日も寝不足かしら……) グラスをシンクに置きながら、彼が消えた方へ溜め息を吐く。 洗剤をスポンジに取り、グラスを丁寧に磨いていく。 その時、クラウドがキッチンの入り口から声を掛けてきた。 「ティファ」 「なあに?替えの下着ならいつもの所に…」 「あ、いや…違うんだ」 「?」 着替えを手に持ち、クラウドが私の隣に身を寄せる。 「聞き忘れたんだけど……」 クラウドの言葉に、ああそれは、と返し、少し笑顔になったその背中をカウンターから見送る。 彼の姿が見えなくなって、手元にあるグラスの泡を流せば、そこに映る自分の顔はとても穏やかな笑顔だった。 「エアリス。クラウドもあなたと同じ事聞いてきたわ」 『え~、そうなの?』 想い出の彼女が微笑む。 ───なあ、ティファ。あのカクテル、何ていうんだ? ───知りたい? ───ああ……まあ。 ───ふふ、じゃあ、耳を貸して。 ───…??…ほら。 ───あのね………。 私とエアリス、愛する彼の為に心を込めて贈ったバレンタイン・カクテル。 その名前は。 『CHOCOLATE SOLDIERS』 CHOCOLATE SOLDIERS - Valentine's Day 2016 - / end. 参考文献…成美堂出版『カクテル大辞典800』 |
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