2016-07-17(Sun)
Your Heart 9
こんにちは、ももこです。
本編SS9話UPします。
今回は初めての戦闘シーンだったので、その前にイメージ付けとこうとリマスターをがっつりプレイしました(^_^;)
ちょうどシドを仲間にした直後だったので、ウータイエリアのモンスターの特徴とか確認出来て良かったです(^^)
戦闘シーンって生まれて初めて書いたので上手く表現出来たか分かりませんが、少しでも雰囲気伝わっていれば良いなと思います(^_^;)
ちなみに、私の中では各キャラの戦闘における立ち位置はこうでした。
【クラウド】…主に打撃メイン。意外と(?)魔力が高いので回復や"てきのわざ"を装備させて万能キャラにしてました。リミット技は"メテオレイン"ばっかり使ってました。
【ティファ】…魔力が低いので打撃オンリー。魔法は補助魔法を主に、素早さがあるので"ぬすむ"でアイテム収集に活躍させてました。リミットの目押しが苦手なので、未だ全段クリティカルヒットした事は無いです……悲しい・゚・(つД`)・゚・"水面蹴り"が好きです(*^^)v
【エアリス】…魔力ピカイチなので後方支援オンリーです。召喚や攻撃マテリアでバンバン敵をなぎ倒しました。リミット技も秀逸なので、常に怒り状態にしてました。"怒りの烙印"が便利過ぎて、使えなくなった時は本当に悲しかった(>_<)
【バレット】…打撃オンリーです。遠距離攻撃可能な武器で後方からバンバン撃ってもらってました。時折、マテリアを装備したクラウドに庇われる事も……見た目逆だろうと思いつつ、お姫様なバレットに胸キュンでした(^^)
【レッドⅩⅢ】…素早さがあるのでティファと同じくアイテム収集家として活躍。レッドⅩⅢを真ん中に、ケット・シー以外のキャラを両脇に立たせると、何だか仲間内でペットを散歩させてる気分になって困りました(苦笑)
【ケット・シー】…魔力が高いので魔法攻撃専門でした。ヒュプノクラウンを手に入れてからは"あやつる"でラーニング三昧。リミット技がランダムダメージだったりするので多少使いづらいかなと思いましたが、そこは持ち前の愛嬌と可愛らしさでカバーですね(^^)
【ユフィ】…素早さピカイチなので、盗賊の小手を装備させ盗人の達人に。ユフィのお蔭でどれだけ旅が楽になった事か(^^)リミットで回復も出来るので、エアリスが旅立ってしまった後はユフィ様様でした(*^^)v
【ヴィンセント】…"ひっさつ"を装備させて百発百中のクリティカルスナイパーに。見た目もカッコいいので初めてプレイした当初はずっと使ってました(^^)……が、いったんリミットしてしまうと操作不能だという事がネックとなり、やや使いづらいキャラに……。一番困ったのは、ニブル山のドラゴン戦。リミットしガリアンビーストに変身したのはいいけれど、炎属性を吸収するモンスターに向かって炎の攻撃を連発し、せっかくHPを削ってもすぐ回復されるという罠に……。お蔭でヴィンセントまで戦闘不能にしなきゃいけない羽目に(>_<)リメイクではぜひ操作可能にしてほしいです(切実)
【シド】…仲間になった時のレベルと物理攻撃力が高いので常に前衛で攻撃の拠点でした。シドの技どれも大好き(*^^)v破天荒な性格と同じく爽快な攻撃を仕掛けてくれるので使う方も楽しかったです。しかも回復も出来るとか万能じゃないですか!FFシリーズの歴代シドの中でダントツに好きです(*^^)vバレットとはまた違った父性が感じられる我らがアニキです(^^)
長くなりましたがこんな感じでした。
プレイヤーそれぞれだと思いますが、私のベストパーティは前半クラウド、エアリス、ティファ、後半クラウド、ユフィ、ティファorシドでした。
でも、最終決戦は初期メンバーで挑みたかったので、クラウド、バレット、ティファでした。
リマスターではどのキャラも万遍なく育てるつもりです。
じゃないと、あの二人が一時離脱した時悲惨な事に……(^_^;)
さて、次回も戦闘シーン続きます。
グダグダにならないように頑張ろう(>_<)
それではまた来ますね!
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)
アンケートの結果は日付が変わりましたら発表したいと思います。
【Warning!】本編SS第9話です。ティファ視点。戦闘シーンがただただ続きます。CPについてはそんなに濃くありませんが、クラウドとエアリスが二人で語りますので気になる方はお気を付け下さい。作中に出てくるエーテルのお味はきっとミント味です。続きます。
Your Heart 9
「皆、無事か!?」
「な、なんとか」
飛び退いた先で着地すると共に、前方からクラウドの声が聴こえて態勢を整えながら返事をする。
飛び散った土で汚れた頬を拭いつつ目線を向けると、先程立っていた場所はすでに大量のモンスターで覆い尽くされていた。
広い草原の真ん中、円を描くようにして黒い影が一か所に塊り有象無象に蠢いている。
それを挟んだ先、エアリスを守るように背中に庇うクラウドを確認した。
(ユフィは…?)
「ユフィ!」
もう一人の所在を確認するべくその名を呼ぶ。
「こっちだよっ」
「!」
すぐ後ろから軽快な声が聴こえて振り向けば、手裏剣を肩に担ぎ片手でVサインを作る姿。
「大丈夫?」
「もっち!これくらいへーきだよっ」
手裏剣を持つ手を伸ばし、くるりと一回転飛びながら私の隣に並んだ。
重い武器を扱う割に全く危なげなくアクロバティックな動きを見せる少女の身体能力には度々驚かされる。
その余裕ぶりに心の中で苦笑しつつ、再びグローブを前方へ向けて構え直した。
注意は前方に向けたまま、横目で問う。
「ユフィ、これってウータイのモンスターよね?」
「そうだよ」
同じように、大きな刃を振り上げながらユフィが頷いた。
「でも、なんでヤツラがこんな所にいるのかは分かんない」
円を拡大するように、じわじわと範囲を広げるそれ。
羽根の付いた平べったい身体にサソリのような尻尾の付いた六本足の怪奇虫。
太い幹に先の尖った草を束ねたような頭と昆虫のような脚を持つ足斬草。
少し前にウータイエリアで嫌という程お目に掛かった昆虫型と植物型のモンスター。
それがどうして大陸を挟んだこのエリアにまで蔓延っているのだろうか。
ふと、先日コスモキャニオンで聞いた話を思い出した。
世界に散らばる魔晄炉。
神羅が技術の粋を結集させて建設した巨大なエネルギー変換装置。
星の命であるライフストリームを地中から吸出し、魔晄エネルギーを作り上げている。
確かに、魔晄エネルギーが普及されたお蔭で私達の生活の水準は昔に比べて格段に向上し豊かになった。
けれどその一方で、魔晄炉の吸い上げるライフストリームの量は増え続け、徐々にその量を低下させていった。
その結果、各地の星の力は減少し、今まで保たれてきた自然の営みでさえそのバランスを崩しつつある。
ここ最近における世界各地の急激な気温の上昇下降や生態系の変化が顕著なのはその産物なのだという。
だからこのモンスター達も、その影響を受けて大陸を越えこの地に根付いたのだろうか……。
「凄い数…」
眼の前で黒々と渦を巻くそれを見つめる。
見る限り、地上に出ているだけでも裕に50匹はいるように見える。
一つ一つは大したことの無い相手だけれど、それがこうも大量に発生したとなると少々手こずるかもしれない。
怪奇虫の飛行能力は勿論、厄介なのは……。
「取り敢えず二手に別れて応戦する!ティファはユフィと、エアリスは俺の後ろで援護してくれ」
クラウドが隊形を指示し、皆で頷く。
モンスターを中心に、それを囲むようにして戦闘態勢を整えた。
「ティファ、ユフィ!気をつけて!無茶、しないで!」
エアリスがクラウドの背中から不安げな顔を見せた。
「ありがとう、エアリス」
小さく眉間を寄せる彼女にパチンと片目を弾き、心配しないでと合図を送る。
「…来るぞ!」
クラウドが声を上げた直後、突如植物型の一匹が大きく動いた。
太い幹に付いた目と口を不気味に開き、声の無いまま詠唱を始める。
それを合図にしたように、眼の前で塊りを作っていたそれらが一斉に動きだし、攻撃を仕掛けてきた。
足斬草の口が大きく開き、ヒステリックな叫び声が鼓膜をビリビリと揺さぶる。
「ああもうっ、うるさーい!!」
余りの不快な金切り声に、耳を両手で塞ぎながらユフィが叫ぶ。
「ユフィ、気持ちは分かるけど今は集中して!」
前方から容赦なく襲いくるそれに顔を顰めつつ、飛んでくる怪奇虫の群れをグローブを固く握り締め迎え撃つ。
「はっ!」
最初の一匹を手刀で、二匹目を回し蹴りで蹴落とす。
間髪入れずに、今度は背後からの羽音に片足で地面蹴り上げ、振り向きざまサマーソルトで二匹同時に叩き落とした。
長い髪が流れるように宙を舞う。
その隙間からユフィの応戦する姿を確認し、着地した。
「くっそー!もうちょっとでゴハンだったのに~っ」
足元から不快な音をざわめかせる足斬草の群れを手裏剣で一刀両断しながらユフィが文句を飛ばす。
「これが片付いたら私が腕によりをかけて美味しいごはん作ってあげるから。今は頑張りましょう」
「ホント!?ゼッッタイだよ!!」
「ええ。楽しみにっ、しておいて…っはあっ!」
「うっしゃ!」
次々と襲いくる相手を落としながら頷く私に、役目を終えたそれをブーメランのような動きで手元に戻しながら嬉しそうにユフィがはにかむ。
「オラオラ化け物ども!こっちだよ~っ」
ひらりと羽のような身軽さで再び宙に舞いながら、今度は空を飛び交う怪奇虫へと刃を放った。
「っ、やっ!」
眼の前の一匹を叩き落とし、その向こうを確認する。
(クラウド…エアリスは…!?)
「ティファ、ユフィ!上だ!」
「!」
忙しなく動く空間に響き渡る、クラウドの声。
はっとして頭上を見上げた瞬間、眼の前が陰った。
もくもくと煙のような影が頭上一杯に広がる。
そこに聴こえる、奇怪な咆哮。
足斬草の口が大きく開く。
(マジックハンマー…!)
空を隠すように拡がっていた煙が大きなハンマー型の形を作り、確かな質量を伴って私とユフィ目掛けて一気に降ってきた。
「きゃあっ」
「わああっ」
咄嗟に避けるも、巨大な影が落ちてきた衝撃で吹き飛ばされてしまう。
その際、出遅れた脚の先にそれが当たり、瞬間、身体の中から力が抜けていく感覚に膝を着いた。
───MPを吸い取られた……!
「ティファ!」
向こうから響く、エアリスの悲鳴。
「くっ…」
「ティファ、これっ」
少しだけ距離の開いたユフィが、ホットパンツのポケットから小瓶を取り出し投げて寄越す。
それを片手で受け止め、すぐさま栓を抜き中身を一気に飲み干した。
エーテルの清涼な香りと少しの苦みが乗せた舌先からすうっと拡がり、身体中に行き渡る。
「ありがとう、ユフィ」
MPを補給し、軽くなった身体で態勢を立て直した。
「皆良く聞け!さっきみたいな攻撃に気を付けるんだ。数が多い……今みたいにMPを取られ続ければこっちがやられる!」
振りかぶった剣を大きく横に引き、複数の敵を薙ぎ払いながらクラウドが叫ぶ。
彼の言葉に、咄嗟に腰に備えていたサイドバッグに手を伸ばし、素早くその中身を確認した。
(ポーションと万能薬が二つずつ、エーテルが…一つ)
「…っ」
きゅ、と唇を噛み締める。
足斬草が時折放つマジックハンマーに一回で吸い取られるMP量はとても多い。
続けて二、三回攻撃されれば簡単に尽きてしまう程に。
エーテルがあれば簡単に補給できるけれど……。
「…えいっ、ファイラ!」
エアリスがロッドに装備されたマテリアを発動させ、炎の魔法を放つ。
地面を舐めるように広がったそれは、炎を弱点に持つモンスター達を瞬く間に一掃していく。
その隙に、今度はバングルに嵌められたマテリアが発動した。
「…ケアルラ!」
マテリアから緑色の透明な光が出現し、エアリスとクラウドを包み込む。
「悪い、エアリス」
「ううん。そっちこそ、だいじょぶ?」
「ああ。……くそ、数が多いな」
癒しの光を吸収した傷口が塞がるのを確認しながら、クラウドが忌々しげに吐き捨てた。
「エアリス、回復アイテムは後どれ位残ってる?」
「え?あ…、ちょっと、待って」
炎を掻い潜り飛び掛かるモンスターを一刀に伏し、背中に庇うエアリスに問う。
彼女の華奢な指先がポシェットの中を探る。
「ん~と、ポーションが二つ、エーテルは……あれ?無いみたい」
「……っ」
エアリスの言葉にクラウドが舌を打った。
「さっきわたしが使っちゃったので、最後だったみたい。……ごめん、ね」
「いや、あんたが謝る事じゃない。補充が少なかった。…俺の判断ミスだ」
「クラウド…」
申し訳なさそうにエアリスが顔を眇めるのを、口角を僅かに上げて制する。
おもむろに自分のズボンの中に手を入れて自らの手持ちを確認する。
「あった」
ほら、とエーテルの瓶を一つ、エアリスに手渡した。
「これで何とか凌いでくれ。俺が敵を引き付けるから、その隙にあんたは攻撃魔法で出来るだけ数を減らすんだ。回復は自分を優先させる事。俺はアイテムを使う」
「うん。分かった」
「MPの残りが少なくなったら教えてくれ。後は俺がこれで何とかする」
そう言って、バングルに嵌められたマテリアを彼女に翳した。
赤く輝く召喚のマテリア。
その中心には、炎の魔人イフリートが地獄の業火を纏い低く轟く咆哮を上げていた。
Next...
本編SS9話UPします。
今回は初めての戦闘シーンだったので、その前にイメージ付けとこうとリマスターをがっつりプレイしました(^_^;)
ちょうどシドを仲間にした直後だったので、ウータイエリアのモンスターの特徴とか確認出来て良かったです(^^)
戦闘シーンって生まれて初めて書いたので上手く表現出来たか分かりませんが、少しでも雰囲気伝わっていれば良いなと思います(^_^;)
ちなみに、私の中では各キャラの戦闘における立ち位置はこうでした。
【クラウド】…主に打撃メイン。意外と(?)魔力が高いので回復や"てきのわざ"を装備させて万能キャラにしてました。リミット技は"メテオレイン"ばっかり使ってました。
【ティファ】…魔力が低いので打撃オンリー。魔法は補助魔法を主に、素早さがあるので"ぬすむ"でアイテム収集に活躍させてました。リミットの目押しが苦手なので、未だ全段クリティカルヒットした事は無いです……悲しい・゚・(つД`)・゚・"水面蹴り"が好きです(*^^)v
【エアリス】…魔力ピカイチなので後方支援オンリーです。召喚や攻撃マテリアでバンバン敵をなぎ倒しました。リミット技も秀逸なので、常に怒り状態にしてました。"怒りの烙印"が便利過ぎて、使えなくなった時は本当に悲しかった(>_<)
【バレット】…打撃オンリーです。遠距離攻撃可能な武器で後方からバンバン撃ってもらってました。時折、マテリアを装備したクラウドに庇われる事も……見た目逆だろうと思いつつ、お姫様なバレットに胸キュンでした(^^)
【レッドⅩⅢ】…素早さがあるのでティファと同じくアイテム収集家として活躍。レッドⅩⅢを真ん中に、ケット・シー以外のキャラを両脇に立たせると、何だか仲間内でペットを散歩させてる気分になって困りました(苦笑)
【ケット・シー】…魔力が高いので魔法攻撃専門でした。ヒュプノクラウンを手に入れてからは"あやつる"でラーニング三昧。リミット技がランダムダメージだったりするので多少使いづらいかなと思いましたが、そこは持ち前の愛嬌と可愛らしさでカバーですね(^^)
【ユフィ】…素早さピカイチなので、盗賊の小手を装備させ盗人の達人に。ユフィのお蔭でどれだけ旅が楽になった事か(^^)リミットで回復も出来るので、エアリスが旅立ってしまった後はユフィ様様でした(*^^)v
【ヴィンセント】…"ひっさつ"を装備させて百発百中のクリティカルスナイパーに。見た目もカッコいいので初めてプレイした当初はずっと使ってました(^^)……が、いったんリミットしてしまうと操作不能だという事がネックとなり、やや使いづらいキャラに……。一番困ったのは、ニブル山のドラゴン戦。リミットしガリアンビーストに変身したのはいいけれど、炎属性を吸収するモンスターに向かって炎の攻撃を連発し、せっかくHPを削ってもすぐ回復されるという罠に……。お蔭でヴィンセントまで戦闘不能にしなきゃいけない羽目に(>_<)リメイクではぜひ操作可能にしてほしいです(切実)
【シド】…仲間になった時のレベルと物理攻撃力が高いので常に前衛で攻撃の拠点でした。シドの技どれも大好き(*^^)v破天荒な性格と同じく爽快な攻撃を仕掛けてくれるので使う方も楽しかったです。しかも回復も出来るとか万能じゃないですか!FFシリーズの歴代シドの中でダントツに好きです(*^^)vバレットとはまた違った父性が感じられる我らがアニキです(^^)
長くなりましたがこんな感じでした。
プレイヤーそれぞれだと思いますが、私のベストパーティは前半クラウド、エアリス、ティファ、後半クラウド、ユフィ、ティファorシドでした。
でも、最終決戦は初期メンバーで挑みたかったので、クラウド、バレット、ティファでした。
リマスターではどのキャラも万遍なく育てるつもりです。
じゃないと、あの二人が一時離脱した時悲惨な事に……(^_^;)
さて、次回も戦闘シーン続きます。
グダグダにならないように頑張ろう(>_<)
それではまた来ますね!
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)
アンケートの結果は日付が変わりましたら発表したいと思います。
【Warning!】本編SS第9話です。ティファ視点。戦闘シーンがただただ続きます。CPについてはそんなに濃くありませんが、クラウドとエアリスが二人で語りますので気になる方はお気を付け下さい。作中に出てくるエーテルのお味はきっとミント味です。続きます。
Your Heart 9
「皆、無事か!?」
「な、なんとか」
飛び退いた先で着地すると共に、前方からクラウドの声が聴こえて態勢を整えながら返事をする。
飛び散った土で汚れた頬を拭いつつ目線を向けると、先程立っていた場所はすでに大量のモンスターで覆い尽くされていた。
広い草原の真ん中、円を描くようにして黒い影が一か所に塊り有象無象に蠢いている。
それを挟んだ先、エアリスを守るように背中に庇うクラウドを確認した。
(ユフィは…?)
「ユフィ!」
もう一人の所在を確認するべくその名を呼ぶ。
「こっちだよっ」
「!」
すぐ後ろから軽快な声が聴こえて振り向けば、手裏剣を肩に担ぎ片手でVサインを作る姿。
「大丈夫?」
「もっち!これくらいへーきだよっ」
手裏剣を持つ手を伸ばし、くるりと一回転飛びながら私の隣に並んだ。
重い武器を扱う割に全く危なげなくアクロバティックな動きを見せる少女の身体能力には度々驚かされる。
その余裕ぶりに心の中で苦笑しつつ、再びグローブを前方へ向けて構え直した。
注意は前方に向けたまま、横目で問う。
「ユフィ、これってウータイのモンスターよね?」
「そうだよ」
同じように、大きな刃を振り上げながらユフィが頷いた。
「でも、なんでヤツラがこんな所にいるのかは分かんない」
円を拡大するように、じわじわと範囲を広げるそれ。
羽根の付いた平べったい身体にサソリのような尻尾の付いた六本足の怪奇虫。
太い幹に先の尖った草を束ねたような頭と昆虫のような脚を持つ足斬草。
少し前にウータイエリアで嫌という程お目に掛かった昆虫型と植物型のモンスター。
それがどうして大陸を挟んだこのエリアにまで蔓延っているのだろうか。
ふと、先日コスモキャニオンで聞いた話を思い出した。
世界に散らばる魔晄炉。
神羅が技術の粋を結集させて建設した巨大なエネルギー変換装置。
星の命であるライフストリームを地中から吸出し、魔晄エネルギーを作り上げている。
確かに、魔晄エネルギーが普及されたお蔭で私達の生活の水準は昔に比べて格段に向上し豊かになった。
けれどその一方で、魔晄炉の吸い上げるライフストリームの量は増え続け、徐々にその量を低下させていった。
その結果、各地の星の力は減少し、今まで保たれてきた自然の営みでさえそのバランスを崩しつつある。
ここ最近における世界各地の急激な気温の上昇下降や生態系の変化が顕著なのはその産物なのだという。
だからこのモンスター達も、その影響を受けて大陸を越えこの地に根付いたのだろうか……。
「凄い数…」
眼の前で黒々と渦を巻くそれを見つめる。
見る限り、地上に出ているだけでも裕に50匹はいるように見える。
一つ一つは大したことの無い相手だけれど、それがこうも大量に発生したとなると少々手こずるかもしれない。
怪奇虫の飛行能力は勿論、厄介なのは……。
「取り敢えず二手に別れて応戦する!ティファはユフィと、エアリスは俺の後ろで援護してくれ」
クラウドが隊形を指示し、皆で頷く。
モンスターを中心に、それを囲むようにして戦闘態勢を整えた。
「ティファ、ユフィ!気をつけて!無茶、しないで!」
エアリスがクラウドの背中から不安げな顔を見せた。
「ありがとう、エアリス」
小さく眉間を寄せる彼女にパチンと片目を弾き、心配しないでと合図を送る。
「…来るぞ!」
クラウドが声を上げた直後、突如植物型の一匹が大きく動いた。
太い幹に付いた目と口を不気味に開き、声の無いまま詠唱を始める。
それを合図にしたように、眼の前で塊りを作っていたそれらが一斉に動きだし、攻撃を仕掛けてきた。
足斬草の口が大きく開き、ヒステリックな叫び声が鼓膜をビリビリと揺さぶる。
「ああもうっ、うるさーい!!」
余りの不快な金切り声に、耳を両手で塞ぎながらユフィが叫ぶ。
「ユフィ、気持ちは分かるけど今は集中して!」
前方から容赦なく襲いくるそれに顔を顰めつつ、飛んでくる怪奇虫の群れをグローブを固く握り締め迎え撃つ。
「はっ!」
最初の一匹を手刀で、二匹目を回し蹴りで蹴落とす。
間髪入れずに、今度は背後からの羽音に片足で地面蹴り上げ、振り向きざまサマーソルトで二匹同時に叩き落とした。
長い髪が流れるように宙を舞う。
その隙間からユフィの応戦する姿を確認し、着地した。
「くっそー!もうちょっとでゴハンだったのに~っ」
足元から不快な音をざわめかせる足斬草の群れを手裏剣で一刀両断しながらユフィが文句を飛ばす。
「これが片付いたら私が腕によりをかけて美味しいごはん作ってあげるから。今は頑張りましょう」
「ホント!?ゼッッタイだよ!!」
「ええ。楽しみにっ、しておいて…っはあっ!」
「うっしゃ!」
次々と襲いくる相手を落としながら頷く私に、役目を終えたそれをブーメランのような動きで手元に戻しながら嬉しそうにユフィがはにかむ。
「オラオラ化け物ども!こっちだよ~っ」
ひらりと羽のような身軽さで再び宙に舞いながら、今度は空を飛び交う怪奇虫へと刃を放った。
「っ、やっ!」
眼の前の一匹を叩き落とし、その向こうを確認する。
(クラウド…エアリスは…!?)
「ティファ、ユフィ!上だ!」
「!」
忙しなく動く空間に響き渡る、クラウドの声。
はっとして頭上を見上げた瞬間、眼の前が陰った。
もくもくと煙のような影が頭上一杯に広がる。
そこに聴こえる、奇怪な咆哮。
足斬草の口が大きく開く。
(マジックハンマー…!)
空を隠すように拡がっていた煙が大きなハンマー型の形を作り、確かな質量を伴って私とユフィ目掛けて一気に降ってきた。
「きゃあっ」
「わああっ」
咄嗟に避けるも、巨大な影が落ちてきた衝撃で吹き飛ばされてしまう。
その際、出遅れた脚の先にそれが当たり、瞬間、身体の中から力が抜けていく感覚に膝を着いた。
───MPを吸い取られた……!
「ティファ!」
向こうから響く、エアリスの悲鳴。
「くっ…」
「ティファ、これっ」
少しだけ距離の開いたユフィが、ホットパンツのポケットから小瓶を取り出し投げて寄越す。
それを片手で受け止め、すぐさま栓を抜き中身を一気に飲み干した。
エーテルの清涼な香りと少しの苦みが乗せた舌先からすうっと拡がり、身体中に行き渡る。
「ありがとう、ユフィ」
MPを補給し、軽くなった身体で態勢を立て直した。
「皆良く聞け!さっきみたいな攻撃に気を付けるんだ。数が多い……今みたいにMPを取られ続ければこっちがやられる!」
振りかぶった剣を大きく横に引き、複数の敵を薙ぎ払いながらクラウドが叫ぶ。
彼の言葉に、咄嗟に腰に備えていたサイドバッグに手を伸ばし、素早くその中身を確認した。
(ポーションと万能薬が二つずつ、エーテルが…一つ)
「…っ」
きゅ、と唇を噛み締める。
足斬草が時折放つマジックハンマーに一回で吸い取られるMP量はとても多い。
続けて二、三回攻撃されれば簡単に尽きてしまう程に。
エーテルがあれば簡単に補給できるけれど……。
「…えいっ、ファイラ!」
エアリスがロッドに装備されたマテリアを発動させ、炎の魔法を放つ。
地面を舐めるように広がったそれは、炎を弱点に持つモンスター達を瞬く間に一掃していく。
その隙に、今度はバングルに嵌められたマテリアが発動した。
「…ケアルラ!」
マテリアから緑色の透明な光が出現し、エアリスとクラウドを包み込む。
「悪い、エアリス」
「ううん。そっちこそ、だいじょぶ?」
「ああ。……くそ、数が多いな」
癒しの光を吸収した傷口が塞がるのを確認しながら、クラウドが忌々しげに吐き捨てた。
「エアリス、回復アイテムは後どれ位残ってる?」
「え?あ…、ちょっと、待って」
炎を掻い潜り飛び掛かるモンスターを一刀に伏し、背中に庇うエアリスに問う。
彼女の華奢な指先がポシェットの中を探る。
「ん~と、ポーションが二つ、エーテルは……あれ?無いみたい」
「……っ」
エアリスの言葉にクラウドが舌を打った。
「さっきわたしが使っちゃったので、最後だったみたい。……ごめん、ね」
「いや、あんたが謝る事じゃない。補充が少なかった。…俺の判断ミスだ」
「クラウド…」
申し訳なさそうにエアリスが顔を眇めるのを、口角を僅かに上げて制する。
おもむろに自分のズボンの中に手を入れて自らの手持ちを確認する。
「あった」
ほら、とエーテルの瓶を一つ、エアリスに手渡した。
「これで何とか凌いでくれ。俺が敵を引き付けるから、その隙にあんたは攻撃魔法で出来るだけ数を減らすんだ。回復は自分を優先させる事。俺はアイテムを使う」
「うん。分かった」
「MPの残りが少なくなったら教えてくれ。後は俺がこれで何とかする」
そう言って、バングルに嵌められたマテリアを彼女に翳した。
赤く輝く召喚のマテリア。
その中心には、炎の魔人イフリートが地獄の業火を纏い低く轟く咆哮を上げていた。
Next...
