七つ星 -NANATSUBOSHI-

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Your Heart 14

こんにちは、ももこです。

本編SS第14話UPします。
今回は時間なくてちょっと短めなので、後でもう少し追加する予定です……すみません(^_^;)
クラティを期待されている方が殆どだと思いますが、エアリス視点もう少々お付き合い下さいませ(>_<)
当サイトのクラティを語るにはエアリス要素は不可欠なので…!
最初はザックスの影を、それから一緒に旅していくうちにクラウドの持つ繊細さ、危うさに気付き、彼を救いたいと思うようになっていったのではないかな??
ザックスとは違うクラウドらしさに惹かれ、いつの間にか好きになっていったと……個人的には思ってます(^^)
エアリスの気持ちについては妄想の余地が結構あると思うので、次話もこんな感じで続いていくと思います。
原作で出てくるクラウドの選択肢については、私がゲームでプレイした時に選んだもので書かせて頂きます。
なるべく早くクラティに戻しますので、苦手な方はしばしお待ち下さいませ~(。-_-。)

それではまた来ますね!
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)

【Warning!】本編SS14話です。前回に引き続きエアリス視点で過去話です。エアリスとクラウドの出会い編。原作に出てくる選択肢の台詞は、私がプレイした時に選んだもので書かせて頂いてます。皆様の選んだものと異なる可能性大なのでご注意下さい。こんなクラウドいなかった……と思われるかもしれませんが当サイト仕様と割り切って下さいませ(^_^;)割り切れない方は閲覧をお控え下さい。また、多少のオリジナル要素を含みます。続きます。8/31追加修正UP。






Your Heart 14



最初に飛び込んできたのは、鮮やかな金色。

街中を照らす魔晄の灯りの中にあって尚、一際輝くその色は、一目でわたしの意識を釘付けにした。

(わあ…)

思わず、その人物が佇む方をじっと見つめる。
遠目で表情は良く判らないけれど、細身で背はあまり高くなく、灯りの途切れたその場所で肌の白さが際立っていた。
一見すると女性のようにも見えるすらりとした体躯。
けれど、剥き出しの腕の逞しさと背中に光る大きな武器から、その人が"彼"であると判断出来た。

(なに、してるのかな)

階段を昇り切った所で立ち止まったまま、静かに辺りを見渡している。
誰かを探しているのだろうか。
小さく、彼が首を振る。
その動きに合わせて、彼が持つ鬣のような金の髪が夜風に靡き、先端がふわふわと揺れた。

(きれい…)

辺りに散らばる魔晄の光を受けて、きらきらと艶めくそれに眼を奪われる。
この界隈では生来金の髪を持つ人間は珍しい。
どちらかというと黒髪や茶髪が主で、いつも眼にする金髪は一部の血気盛んな若者が自己主張で染めているだけだった。

(この人も、そうなの?)

花売りという接客仕事とはいえ、そういった人達とはあまり関わりの無い日常を送っている。
彼等は大抵花なんかには眼もくれず、荒事ばかりに身を興じているから。
……それ以上に怖い人達とは、嫌という程関わりはあるけれど。
けれど、眼に入った彼はそれらとはどこか違う、独特の雰囲気を漂わせていた。


『………あ』

人の波に逆らわないよう、ビルの壁に寄り添うようにして暫く見ていると、彼がこちらへと歩いてきた。
思わず通りへと身を乗り出す。
雑踏の中、近付いてくる彼。
けれど、わたしの存在には気付いていないようで、そのまま通り過ぎようとしている。

(あ……行っちゃうんだ)

そう思った瞬間、心の中にほんの僅かな寂しさが過った。
何故だろう。
もう少しだけ、彼を眼に留めておきたいと思ってしまった。

(……そうだ。この人に聞いてみようかな)

普段であれば、接客以外では人と積極的に関わる事はしないのだけど……偶然眼に留まり興味を惹かれた人物が、偶然自分の方へ近付いてくる。

これも何かの縁かもしれない。
少しお話するくらい、良いよね?
悪い人には見えないし……多分。

───うん、聞いてみよう。

自分に言い聞かせるように頷く。
ほんの些細な偶然だけれど、何故かその時はそうしたいと強く思った。


『ねえ、なにかあったの?』

一歩足を踏み出し、思い切って声を掛けた。
通り過ぎようとしていた足がぴたりと動きを止め、立ち止まった身体がこちらを振り向いた。

(え…?)

見上げた瞬間、わたしの視界いっぱいに飛び込んできた彼の瞳に心臓が跳ねた。

それはいつか見た、"あの人"と同じ空色だったから。

頭の中で色褪せない想い出が甦り、瞬間、眼の前が鮮やかな一色に変わる。



───きれい。

───顔?

───瞳。

───気に入った?だったら、もっと見てよ。魔晄を浴びた者の証。ソルジャーの証だ。

───もう。

───空みたいな色だろ?

───うん。この空なら恐くない。



(ザックス…?)


時が止まったような感覚。
………ううん。
時が戻ったような感覚に、空色の瞳をじっと見つめたまま動けなくなっていた。


『……どうかしたのか?』
『…!』

鼓膜を掠める、知らない声。
初めて聞いたその声に、はっとして眼を大きく瞬いた。
それと同時に、眼の前から鮮やかな影も消えた。
それに代わるように現れたのは、初めて見る知らない顔だった。

(……全然、違う……)

"彼"よりも線の細い輪郭。
"彼"よりもずっと白い肌の色。
"彼"よりももっと大きな瞳。
"彼"とは似ても似つかない金色の髪、冷めた眼差し、見えない表情……。


───どう見たって、わたしの知ってるあの人とは違う。


途端、言いようのない落胆が胸を覆った。
同時に、自分自身に呆れてしまう。

(わたし、どうしちゃったのかな……ザックスなわけ、ないのに)

ついさっきまで、この人の金の髪に見惚れていたばかりなのに。
きっと……さっきの路地裏で懐かしい声を聴いたから、少し過敏になっているのかもしれない。


『あ、え~と、ごめんなさい』
『……?』

怪訝な表情の彼に、謝りながら慌てて笑顔を作った。

『今日、八番街、なんだか様子が変だけど、どうしたのかなって』
『ああ…』

わたしの問いかけに、彼がそのままの表情で頷いた。

『気にするな』

短く言いながら、さして関心が無いように小さく肩を竦める。

(気になるから、聞いてるんだけど)

投槍とも取れる仕草に心の中で呟きながら、辺りを見渡すその横顔を見つめた。

透き通るような白い肌に長い睫毛、形良く通った鼻梁。
けれど、その目元は意志の強さを示すように鋭く、きゅっと引き締められた眉間に柳眉を撓らせている。
女性的な繊細さと男性的な逞しさを併せ持つその容貌に思わず見惚れてしまう。
それに加えて、一際眼を惹く鮮やかな輝き。

(やっぱり、きれい…本物、ね)

間近で見る金の髪は、その一本一本が根元から光を弾き、遠目で見た時よりも一段と輝いて映った。
いつも眼にする作り物の派手な輝きとは違う、透き通るような優しい蜂蜜色に吸い込まれそうになる。
肌の色も、この辺りではあまり見かけない程の白さで、もしかしたら彼はこのミッドガルの出身ではないのかもしれない。

(ソルジャー、なのかな)

瞳の空色はその証だと、あの人は言っていた。
ソルジャーになろうとする若者は多く、志願者は絶えず世界中からこのミッドガルに集まってくるらしい。
その全てがソルジャーになれる訳ではなく、神羅が行う"特別な試験"をクリアした者のみが晴れてソルジャーとして活躍出来るのだと。

(………あ、もしかして)

───ソルジャーなら、ザックスの事、知ってる……?

思った瞬間、心臓が高く跳ねた。
もし眼の前にいる空色の瞳を持つ彼がザックスと同じソルジャーなのだとしたら。

───もしかしたら、彼へ繋がる手掛かりになるかもしれない。

(クラス1stなんて、数えるくらいしかいないって言ってたもの……聞いてみようかな)


『ねえ、…』

逸る鼓動を抑えながら仰ぎ見る。
その時。

『……それより』

わたしの視線に気が付いたのか、向き直った彼がおもむろに目線を下げた。
その先には、腕に提げた籠。

『花なんて、珍しいな』
『え?』

顎をしゃくり、それだと教える彼に、喉から出かかった言葉を飲み込んだ。
さっきまで表情を見せなかった彼の口角が、ほんの少しだけ上がったのを見てしまったから。
花とか、そういったものにまるで興味がないように見えたから……意外だった。

それでも、せっかく丹精込めて育てた花達を見初められるのは嬉しくて。

『あっ、これね。気に入ってくれた?』

腕に提げた籠を持ち上げ、もっと見てと彼の前に差し出した。

『わたしが育てたの。1ギルなんだけど、どう?』

籠の中から瑞々しい一本を手に取り、とびきりの笑顔と一緒に彼へ向けた。

『あんたが?』
『うん』

少し驚いたように眉を上げる彼。
それから、何かを考えるように視線を落とし……顔を上げて頷いた。

『……貰おう』
『わあっ、ありがとう!はい』

彼が差し出した1ギルと引き換えに、丁寧に包んだ花を手渡した。

『萎れちゃわないうちに、早目に活けてあげてね』

彼がこの後どこに行くのか分からないけれど、取り敢えず簡単なアドバイスを贈り代金を籠の中に仕舞う。
彼の手にある一輪の花が、喜ぶようにふわりと揺れた。

その時。

『……こっちだ!』

向こうの方から沢山の男の人の声が聞こえてきた。

『なに?』
『…ちっ』

途端、小さな舌打ちと共に彼の表情が険しくなった。
手の中の花を無造作に仕舞い、わたしに背を向けるようにして声のする方へと向き直る。

『どうしたの?』

不穏な雰囲気に声を掛けると、目線は逸らさず向こうを向いたままで彼が答えた。

『逃げた方が良い』
『え?』

その低い声に、彼が見ている方へと視線を向ける。
青い制服を着た人達が武器を持ち、大勢こちらへ向かってくるのが見えた。

『なに、あれ?神羅の人達?』
『……さあな。取り敢えず、ここにはいない方が良い。……面倒に巻き込まれるのは御免だろ』

神羅カンパニーが誇るソルジャーや神羅兵は、このミッドガルの治安を維持する軍事部隊。
ミッドガルで何か事件や暴動が起きれば、即座に出動し鎮圧する。

……そういえば、ここに来た時から何だか街の様子がおかしかった。
彼らが走り回っているのも、その所為……?

追いかけてくるように迫ってくる神羅兵に不安が過る。
本当に、今日は早く家に帰った方が良いのかもしれない。

『あ…うん。そう、ね。何だか分からないけど、そうするわ』

急いで籠の中の花に布を被せ、丁寧に包む。

『あなたは、どうするの?』

言いながら、顔を上げた。

『……あれ?』

………そこには、既に彼の姿は無かった。

『………』

怒声が遠くに聴こえる雑踏の中、一人ぽつんと立ちつくし、眼の前を流れる人の波をただ見つめる。
たった今まで眼の前で見ていた美しい金色は、もうどこにも見当たらない。
通り過ぎる人波が創り出す微かな風が、撫でるように頬を掠めるだけだった。


『……聞くの、忘れちゃった』



───あなた、もしかしてソルジャー?



空色の瞳は、ソルジャーの証。



『………』


もう一度、彼を見つけた場所に眼を向けた。
そこにはただ暗闇が広がっているだけで何も無かった。


『わたし、エアリス。……あなたは?』


またどこかで会えたなら、今度こそ彼に聞いてみよう。

会えるなんて保証は、どこにもないけれど。

でも、多分。

……彼とは、またいつか巡り会えそうな気がする。



『お花、誰にあげるのかな……ね、金髪さん』

瞳に焼き付いた、鮮やかな色に小さく微笑みながら一歩を踏み出す。

籠の中できらりと輝く1ギル。

それが彼へと繋がる、確かな光のように思えた。



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