七つ星 -NANATSUBOSHI-

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SWEET DISTANCE 1 - Cloud Birthday 2016 -

こんにちは、ももこです。

お約束していたクラ誕SSですが……取り敢えずこの連休中にという括りだったので、色々とあって触りしか書けませんでしたがUPします。
まだまだ書き足しますので、超絶中途半端ですがご勘弁下さい(>_<)
ちゃんと読みたいという方はもう少々お待ち下さいませ……今週中にはなんとかします(^_^;)
今回はライトな感じで甘く明るくいきたいと思ってます……が、趣味で切ない要素もちょっとだけ入るかもしれません(^_^;)
書いているうちに軌道が外れるのはいつもの事……??

それではまた来ますね!
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)
前回UPした記事にご賛同下さった方々も本当にありがとうございました!
当サイトはクラティサイトです。
CPではクラティを一番愛しています。
エアリスが絡もうと、それは変わりません。
その表現の仕方が変わるだけです。
それだけは、ご理解頂ければと思います。

【Warning!】クラ誕SS第一話です。……が、まだ触りしか書けていませんので、きちんと読みたい方はご注意下さい。クラウド視点。時期はクラウド復帰直後から始まります。クラウドが偽人格を創った過程を妄想してます。本題とクラティ成分は次話からの予定。続きます。8/22後半UP。








「ああ、クラウド……! 本当にクラウドなんだね!」


「ああ……。ティファ……やっとまた……会えたな……」


「バカッ!! みんなに心配かけて!!」





キラキラと輝く記憶の欠片が星空のように降り注ぐその中で。



俺は、君に。



心からの"ただいま"をしたんだ。







SWEET DISTANCE 1 - Cloud Birthday 2016 -







「皆……すまなかった。なんて言ったらいいのか……」


飛空艇の作戦室で、俺は仲間を集め謝罪をした。
ハイウィンドと言う名のそれは、俺が自我を失っている間にシド達が手に入れたらしく、その浮遊感に目覚めて間もない身体はまだ慣れない。
少しずつ左右に揺れる床を、両足にぐっと力を込めて踏み締めた。

それと同時に、両の拳も。
くっと息を詰める。

「もういいよ、クラウド。あやまってばかりだからね」

両手を固く握り締め、目線を落とす俺にナナキがおかしそうに、けれど嬉しそうに笑う。
他のメンバーも頷きながら笑顔を浮かべた。

「そうだよ、クラウド」

ナナキの隣でティファが微笑む。
目元を柔らかくし、穏やかに言う彼女。
その瞳はしっかりと俺を映していた。

「……ん」

それに勇気を貰って、俺は頷きながらやっと深く息を吐き出した。


これから………俺は、本当の事を皆に伝えなければならない。

本当の……俺の真実を。


「……っ」

かつてない緊張に、喉の奥がチリチリと痛んだ。
握り込んだ掌にじんわりと汗が滲む。
逃げ出したい衝動に駆られ、けれどそれは駄目だと心の中で自分自身に叱咤する。

「……、俺は」

痛む喉の奥から絞り出した声は、自分でも驚く程弱々しく掠れていた。

(情けないぞ…!)

拳を握り直し、腹に力を込める。
深く息を吸い込んだ。
顔を上げ、喉を開く。

皆の視線が一斉に向いた。

「俺は元ソルジャーなんかじゃない」

その声は、殊の外大きく響いた。

「皆に話した五年前の出来事やソルジャーとしての話は 俺自身が創り出した幻想だったんだ。大見栄きって村を出たのにソルジャーになれなかった俺……それを恥た弱い俺は、親友だったザックスから聞いた話……更に、自分で見た事を混ぜ合わせて幻想の自分を創り出した……そしてその自分を演じ続けていたんだ」

肺に溜まった空気を全部吐き出すように、一気に言葉を繋いだ。
一瞬でも言葉を切れば、口元が震えそうだったから。





───五年前のニブルヘイム。
ソルジャーになれず、一般兵として派遣されたあの時、俺は恥ずかしくて皆に顔を会わせる事が出来ずにいた。
特に……村を出る前、約束を交わしたティファには……会わせる顔が無かった。


───ね、約束しない?
───あのね、クラウドが有名になって その時、私が困ってたら……クラウド、私を助けに来てね。


……ティファから逃げるように、村に滞在中ずっと正体を隠していた。
母さんにも俺の事は彼女には内緒にしておくように口止めをした。
情けないと言われて腹は立ったけれど……本当の事だから何も言い返せなかった。
その通り、ニブル魔晄炉の調査では、彼女を守るどころか……逆に心配される始末で。


───俺もソルジャーだったらな……。
───そういやお前、ティファとは知り合いか?
───……まあね。
───話したのか?
───……いや。
───なんか訳があるんだろうけど、それで良いのか?
───………。


本当は、良くなんかない。
二年振りなんだ。
俺だって、ティファと会いたいし話もしたい。
この二年間、ずっと彼女との約束を果たす事だけを夢見てここまでやってきたんだ。

……でも。


俺は………ソルジャーじゃ、ない。


───………ザックス、あのさ……。
───ん?
───その……ソルジャーって、どんな感じなんだ?


その時ザックスから聞いた話と、その先で実際に見たザックスやセフィロスの凄さ。
理想とする憧れのソルジャーそのものが俺の脳裏に焼き付いた。


そして………。


───う……あ……ああ。
───大丈夫ですか?
───あ……ぁ……、………ティファ?


七番街スラムの駅でティファと再会した時。
彼女の声、仕草、面影。
俺に触れるその全てに、幼い頃から彼女に抱いていた気持ちが一気に甦った。


"強くなりさえすれば……ティファだって、俺の事、 認めてくれる"


………全ては、そこから始まったんだ。


(……ティファ……ティファ……、約束……ソルジャー……、約束……)

(ティファ……!)


俺の中の何かが音を立てて崩れ、また再生した。

それはあまりにも歪で、元の形が判らない程ぐちゃぐちゃなものだった。


───…………? あ、クラウド!

(…くら…ど……?俺…?クラ、ウド……、俺、クラウド……!)

───その通り。俺はクラウドだ。


自分の名前すら覚えていなかったけれど、ティファの一言で自分が"クラウド"というものなんだと認識した。
その名前に、ほんの僅かだけれど、懐かしさみたいなものを感じた。


───本当にクラウドなのね! こんな所で会えるなんて!

(こんなところで、あえる……俺達は……久しぶりに…?)

───ああ、久し振りだな。


ティファの言葉をベースに、そこから"クラウド"というものを構築していった。


───でも、どうしたの? 具合悪そうだったけど……。

(ぐあいが、わるい…?ソルジャーは……いつだって……強く……)

───……そうか? いや、そんな事はない。普通だ。


ソルジャーは精神、肉体共に、最強の精鋭部隊だ。
具合なんて悪いはず、ないじゃないか。


───でも……。
───俺は大丈夫だ。ティファ。
───そう…?


大丈夫だと言っているのに、ずっと心配そうに見つめるティファに苛立ちを覚えた。

俺はソルジャーなんだから、一般人に心配される事なんて、何もないんだ。
ティファこそ、どうしてこんな所にいるんだ。
その前に、ティファって誰だ?
俺の知り合いか?
ティファは俺のなんなんだ?


───なあ、ティファ。俺達……。
───ずっと心配してたのよ。クラウド、今何してるの?神羅で働いているの?
───神羅…。
───……もしかして、もう辞めちゃった?ニブルヘイムがあんな事になったし……。
───ニブルヘイム?
───クラウド、知らないの?ニブルヘイム、もう……無くなっちゃったのよ。五年前、セフィロスに……。
───セフィロス……、う…っ!
───クラウド!?


ティファの"セフィロス"という言葉に、頭の中が一気に沸騰したように熱くなった。
突然蹲った俺に、ティファが何度も俺の名を呼んだ。
その声に重なるように、五年前に見た光景が頭の中に甦った。

"クラウド"
"ティファ"
"ニブルヘイム"
"ソルジャー"
"五年前"

"炎"

"母さん"

"魔晄炉"

"許さない"

"復讐"


"ジェノバ"


"決着"



"セフィロス"



………そうだ。

俺は、故郷を奪ったあいつと、"あの時"の決着を付けなければならない。



───クラウド!しっかりして、クラウド!
───……ティファ……。
───どうしたの?やっぱりどこか具合でも…。
───いや……大丈夫だ。それより、セフィロスは…。
───……死んだって、新聞に載ってたそうよ。
───死んだ…?
───神羅の情報だから、本当かどうか判らないけど…。


死んだ…?セフィロスが……?


───…っ!


不意に、別の何かが頭の中を塗り替えた。



───お前、これからどうする?

───俺は何でも屋になるぞ!



(誰だ……?何でも屋……?)


ぼんやりと浮かぶ、ソルジャーの面影。


(何だ…?俺なのか…?)



───クラウド?
───……俺、神羅を辞めたよ。
───……そう、なんだ。
───ソルジャーの知識を生かして、今は何でも屋をやってる。
───ソルジャー!?
───ああ……そうだ。俺、ソルジャーになったよ。
───夢、ちゃんと叶えたんだ……えらいえらい。
───ティファは?
───私はこのスラムでバーを経営しているの。あ、良かったら寄っていかない?御馳走するわよ。
───良いのか?
───うん、遠慮しないで。私達、幼馴染みじゃない。
───幼馴染み……。


(そうか。ティファと俺は……幼馴染みなんだな)


そこで初めて、俺とティファの関係を知った。
いや、俺の中のジェノバが認識した、と言った方が良いのか。

その時、俺の中にあったティファへの想いや感情は……記憶の彼方に封じ込められたんだ。


その"一かけら"を、心の隅に置き去りにして。



───さあ、行きましょ、ソルジャーさん。
───ああ。



………そうだ。


俺は……ソルジャーになった。

皆が憧れる、強いソルジャーに。





"これでやっと───君に会える"





───ねえ、何年振りかな?


───五年振りだ。







「………」

静まる室内。
聴こえるのは、艇内に低く響き渡るエンジン音のみ。
皆の視線は、ただ黙って俺に向かっていた。
その居心地の悪さに、つい目線を下げたくなるのをぐっと堪えて前を見据えた。

「幻想かよ……その割には強かったじゃねえか」

言いながら、バレットが片眉を上げた。
納得していないような表情のバレットに視線を向けて頷いた。

「身体はソルジャーと殆ど同じなんだ。宝条のセフィロス・コピー計画というのは何の事はない、ソルジャーを創るのと同じやり方でしかなかったんだ」
「何だぁ?同じやり方ってぇのは?」

バレットの後ろで悠々と腕を組み、シドが煙草を咥えながら顎をしゃくる。
今度はそちらに向けて頷いた。

「……ソルジャーは魔晄を浴びるだけじゃない。実は、体内にジェノバ細胞を埋め込まれた人間なんだ。良くも悪くも心が強い人間はソルジャーになる。ジェノバのリユニオンも関係ない。でも、弱い人間は……俺のように 簡単に自分を見失ってしまう」


───……おれ…ナンバー……いくつ……?


魔晄中毒に侵される中、まるで呪文のように同じ言葉ばかりが頭に響いていた。

"ナンバー"、"リユニオン"……"セフィロス"

まるで壊れた機械人形のようにそれらを繰り返し、自我を忘れ、ただ主を探して彷徨うだけの人形。
体内のジェノバ細胞が動き出し、主であるセフィロスを求め、奴と一体化する事。
それが、ジェノバのリユニオン。


───お前は人形だ。クラウド。


顔を合わす度、俺にそう言ってきたセフィロスの言葉の意味が今になってやっと解った気がした。


「…っ」

言いようのない悔しさに、ぐっと歯を噛み締める。


「ジェノバ細胞とセフィロスの強い意志。そして俺の弱い心が生み出した人間。それが皆が知っていた俺………クラウドだ」



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