七つ星 -NANATSUBOSHI-

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INVISIBLE STARS 3

こんにちは、ももこです。

遅くなりましたが、ダークSS第3話UPします。
う~ん、今回はちと難産……表現したいものがたくさんあるのにとっ散らかって上手く纏まらず(>_<)
なんとか一話分書いたけど、多分後からがっつり修正入れるんだろうなあ……(ω |||)
とにかく今回はティファが可哀想な感じになります。
公式小説でもそうですが、クラウドの心が全く見えないのでね……(´・_・`)
今回も相当暗いですが、まだまだ展開は続きますので、これ以上のダーク感でも許容出来る方はお楽しみに(*^^)v
……いるかな(^_^;)

それではまた来ますね!
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)

【Warning!】ダークSS第3話です。ティファ視点。前半はティファの独白みたいな感じです。全体的に暗くて重いです。苦手な方はご注意下さい。続きます。








INVISIBLE STARS 3





二年前、美しく幻想的な古代の都。

その深部、祭壇の中で祈りを捧げながら彼女は逝った。


───ううん、違う。


何の前触れもなく、突然、私達の目の前で逝かされてしまった。




『エアリスは、もうしゃべらない……もう……笑わない……泣かない……怒らない……』




エアリスを失ったあの時から、彼女を助けられなかった事実があなたを苦しめていた事は知っている。

私達の前では決して見せようとしなかったけれど、あなたは懸命にそれを乗り越えようとしていた。


でも………。



『俺達は……どうしたらいい?この痛みはどうしたらいい?』

『指先がチリチリする』

『口の中はカラカラだ』

『目の奥が熱いんだ…!』



想い出にするには………あまりにも鮮烈で残酷な出来事だったから………。




どんなに深く悔やんでも、切に願っても………失われた命は決して元に戻りはしない。

あなたの部屋であの伝票を見つけた時、瞬く間に私の中で甦ったように………あなたもあの依頼を受けた時、同じように彼女の記憶に触れたのではないかしら。


『クラウドがね、さいきんなんだかおかしいの』


エアリスの美しい笑顔と共に………彼女を失った心の痛みまでもあの時のまま、鮮明に。






『付き合おうか』


誰も居ないカウンターで一人グラスを傾けるあなたに声を掛けた時、私が何を思い出していたか分かる?



決戦の後、仲間達皆で訪れた忘らるる都。

彼女が眠るあの泉で思わず泣き崩れた私を、あなたはそっと肩を抱いて支えてくれた。

静かな、けれどどこまでも力強く確かなあなたの掌に、私の心は素直に解けていく事が出来た。


あの時、あなたが傍に居なかったら……あなたのその手が無かったら。

私は自分の罪に押し潰されたまま、きっと未来に進む事なんて出来なかった。



『あまり思い悩むのはティファらしくない』

『私は……こんなもんよ』

『いや、もっと強い。忘れたのなら、俺が思い出させてやる』

『……本当?』

『……多分』



あなたの何気ない言葉や仕草が、どれだけ私を救ってくれたか。

あなたはそんな事無いって言うかもしれないけれど………。



クラウド、あなたが私をここまで導いてくれたのよ。



そして………今度は私も、あなたの支えになりたいと思ったの。






だから今日も、あなたのその苦しみをほんの少しでも軽くする事が出来るなら、何でもいいから話してほしかった。



エアリスを失った悲しみと後悔は、あの時一緒にいた私だって持っているものだから。



彼女の仲間として……友人として。



同じ痛みを持つ者同士、分かち合って、支え合って乗り越えたかった。




二人一緒なら………大丈夫って、思ったの。




でも。








『一人で飲みたい』









………あなたは、違ったんだね。





















規則正しい秒針の音が、やけに大きく聴こえる。

普段は全く気にならないのに、どうしてこんなに耳障りなんだろう。


そう思いながら、視線は床を見つめたまま。



「───」


ぽたりと、雫が落ちた。


小さな水溜りが一つ、そこに出来る。


その上に重なるように、新たな雫が一滴、二滴。




「───……」



三滴目が落ちた時、漸くそれが自分から溢れたものだと気付いた。




「………っ」


競り上がる喉の痛みに唇を噛み締めた。

瞬く間にぼやけて輪郭が無くなった視界の中、まるで浮いたように足元の感覚さえ判らない。

感じるのは流れ落ちていく涙の足跡。

苦しくなる呼吸。

剥き出しの肩を刺す、冷えた空気。



───そこには、誰の支えも無い。







クラウドは、私の言葉通り、黙って自分の部屋へ行ってしまった。



私の気持ちは、彼に届かないまま、置き去りにされてしまった。








「…っふ…、うっ……」


噛み締めた唇の合間を縫って、勝手に溢れ出す嗚咽を必死に堪える。

それでも抑えきれないそれを、今度は両手で覆い強く抑え付けた。

息が出来なくて苦しくなる───それでも。


「…っ、っ」


薄暗いカウンターで一人泣いている姿なんて、惨めで誰にも知られたくなかった。





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