Your Heart 22016-01-22 Fri 01:46
こんにちは、ももこです。
SSの二回目を書いたのでUPします。 今回はちょっとシリアスな感じです。 実はまだ書きたい部分には至っていません…前置きが長いな(^_^;) Ⅶのお話って本編自体もさることながら、キャラの生い立ちとか立場とか、キャラ同士の繋がりが物凄く濃くて、ちゃんと理解するまで大変だと思います。 少なくとも私はそうでした…初プレイ時、話自体をちゃんと理解出来たかというと出来なかった気がする。 キャラ萌えの方が凄くて、お話は雰囲気でなんとなく分かった気でいたと思います(^_^;) 一回のプレイじゃ看破するのは難しい。 大人になってようやく意味が理解出来た部分もたくさんあります。 Ⅶに限らず、FFの世界は奥が深いな~といつも思います( ̄^ ̄)ゞ ではまた来ますね! 次のUPでようやくまともなクラウド出てくる予定(^_^;) 拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*) 【Warning!】"Your Heart 1"の続きです。原作沿いのティファ視点。過去話で少しシリアスな展開になります。続きます。 Your Heart 2 ───クラウド。 クラウド・ストライフ。 一つ歳上の、幼馴染み。 数か月前……七番街スラムの駅のホームで再会したあの日から。 ずっと、彼の姿をこの目で追ってきた。 でもそれは、二人が言うような、そんな理由じゃなくて……。 「ふがっ…っ、く、苦しいよ、ティファ!」 「あっ…ごめんなさい!」 いつの間にか力の入ってしまった掌が、腕の中の自由を奪っていたみたい。 前方に向けていた目線を慌てて戻し、ジタバタと苦しそうにもがく体をぱっと離す。 幸い、クラウドは前を向いたまま、変わらず歩調は緩めていない。 私たちの会話は耳に入っていないようでほっとする。 「ぷっはー!ちょっと!ただでさえ力強いのにアタシを殺す気!?」 ゴホゴホと噎ぶ背中に手を当てて様子を窺うと、黒い大きな瞳に涙を浮かべながら恨めしそうに睨まれてしまった。 「ユフィ、だいじょぶ?」 「うわ~ん、エアリス~」 私の手から離れ、エアリスに頭を撫でられながら泣くふりをするユフィを大げさだと思いながら、心の中で苦笑する。 「本当にごめんね、ユフィ」 ───でも、ユフィだって悪いのよ? 私がクラウドを見ていたのは、彼の様子を観察するため。 久しぶりに再会した時、彼の様子、言動に違和感を持ったの。 ……あの時のクラウド、普通じゃなかった。 七番街スラムへの帰り道、冷たい雨の降りしきる駅のホームの片隅で、一人蹲りながら何かに怯えるように震えていた彼。 最初は誰だか分からなくて、ただ時々見かける浮浪者が行き倒れているのだと思った。 声をかけていた駅員さんも、やがて首を振って静かにそこから離れて行った。 道行く人たちは皆、まるでその人物が最初からいなかったかのような無関心さで、あるいはあからさまな同情の眼差しでその横を素通りしていく。 私もお店の仕込があるから、あまり時間が無かったし……本当は、人の波に押されるまま、通り過ぎようとしていたの。 ………でも。 『……?』 蹲り震える背中の先、深く俯いた顔は良く分からなかったけれど。 そこから見えた髪の色……面影のある、体躯。 『…う、ぅ…あ、ウァ…』 どこかで聞き覚えのある、声。 『…大丈夫ですか?』 思わず立ち止まってしまっていた。 差した傘を彼の頭上に傾けながらしゃがみ込む。 途端、むっと鼻を衝く異臭がして息が詰まった。 浮浪者特有の、埃と汗と脂の臭い。 強烈な臭気に若干身を引きながら、丸くなった背中からその様子を改めて見る。 長時間身体を清めていないだろう、髪の毛はべったりと脂が付いて、よく見ないと元の色が判別しにくい程汚れている。 身に着けている服も、所々破けていたり擦り切れていて、しかも胸の辺りにはどす黒い染みの塊まで付いている。 多分、出血の跡か……あるいは……。 (…っ) 嫌な想像を頭を振って振り払う。 目線を動かせば、傍には赤黒く錆びついた大きな剣が無造作に打ち捨てられているのが見えた。 ───明らかに今まで目にしてきた浮浪者たちとは違う。 (この人、一体…?) 異様な風体に段々と恐怖じみたものをを感じながら、なんとか顔だけでも確かめようと首を動かした。 『…うう…ぁ…?…』 そこに見たその人の輪郭。 唾液に濡れた口元の線。 通った鼻の形。 雨の滴が垣間見せる、本来の肌の色。 彼の、瞳。 『……ティファ……?』 ………クラウドだった。 掠れた小さな声で名前を呼ばれた瞬間、止まるかと思ったくらい心臓が大きく跳ねたのが分かった。 『ああ、俺はクラウドだ』 一言二言と言葉を交わすうちに、いつの間にか彼は"普通"の状態に戻っていった。 その変貌にも驚いたけど……それよりも、故郷を失くしてからずっと一人きりだと思っていた自分にとって、彼との再会は思いがけず本当に嬉しい出来事だった。 だからかもしれない。 浮かれすぎた心が、自然と導き出した言葉。 『久しぶりね…何年ぶりかな?』 本当に、何気なく、彼に言ったの。 そうしたら。 『ああ…五年ぶりだ』 ───本当は七年ぶりだった。 彼への違和感は、それが始まり。 彼を保護して一緒に暮らしていくうちに、その違和感はどんどん膨らんでいった。 それが決定的になったのは、カームで聞いた彼の過去。 五年前のあの日、クラウドはニブルヘイムに来たって言ってた。 私と会って、会話して、写真も一緒に撮ったと言ってた。 一緒に山へ登り、魔晄炉まで行ったって。 故郷が焼かれる様子を、この目で見たって。 ……セフィロスに斬られた私を、見たって……。 でもね、クラウド。 私、五年前、あなたには会ってないんだよ? 村に来たのは、セフィロスと、ザックスと、二人の神羅兵だけなんだよ? クラウドと会ったのは……七年前の、村の給水塔が最後なんだよ……? クラウドの言ってる事、全部が嘘には思わないよ。 給水塔での思い出は、私の思い出とちゃんと重なるもの。 だけど……。 "クラウドは、本当に私の知っている、クラウド・ストライフなの?" ふとした瞬間、そんな考えが頭に浮かぶの。 その度に、クラウドを信じきれない自分が嫌で堪らなくなるの。 聞きたいけど、聞けないの。 ……クラウドがどこか知らない遠くに行っちゃいそうで……怖くて、仕方なくなるの。 「二人の期待を裏切るようで悪いんだけど。クラウドは…ただの、幼馴染みだよ?」 「ただの幼馴染みってだけであんなにあっつ~い視線送っちゃうもん?」 「クラウド、ずっと前線に出っぱなしでしょ?さっきもモンスターの攻撃、一人で全部受けてたし…身体、大丈夫かなって。怪我してなきゃいいなって、少し心配してただけだよ」 『ティファ』 あの時私の名前を呼んでくれた彼。 彼が本当に私の知ってるクラウドなのかどうか、確かめたいの。 だから、彼をずっと見てきたの。 私がちゃんと納得出来るまで。 これからも彼を、見ていきたいの。 Next... ![]() |
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