Your Heart 32016-01-25 Mon 01:03
こんにちは、ももこです。
SSの三話目を書いたのでUPします。 …やっぱり日付跨いでしまいました…わざわざ足を運んで下さった方、すみません(^_^;) クラウドの登場もあんまりありませんでした…書いているうちにいつの間にかエピソードが追加になってしまい、予告していたクラウドの活躍(?)とテーマは次回に先送りになってしまいました。 冗談抜きで、次からは本当に本題にいきたいです(ノ_<) そして、今回の主役はエアティ!です(*^^)v この二人、原作プレイ当初は恋のライバル、さあどうなる~と心配していたんですが、ふたを開けてみれば心配無用の仲良しで大好きです(*^_^*) アンダージュノンのイベントで二人してクラウドの扱いが冷たくて面白かったです(苦笑) 「いやよね」「そうよね」最高(*´∀`人 ♪ でも人命救助したのにこの扱い…クラウドが物凄く不憫で可哀想な気もしますが、エアティが面白いので私の中ではこれで良し。 何気に男女CPよりエアティが一番上手くいくのではないか??と思う今日この頃であります(*´_ゝ`) ではまた来ますね(^^) 拍手&閲覧、いつも本当にありがとうございます! 次の更新もSSの予定です~(* ´ ▽ ` *) 【Warning!】"Your Heart 2"の続きです。原作沿いのティファ視点。今回はエアリス×ティファ成分多めです。続きます。 Your Heart 3 「だから、もうこの話はおしまいにしよう?」 「え~つまんないよっ」 過去の記憶から現実に意識を戻し、まだ納得していない様子のユフィに人差し指を口元に当てながら終わりを告げる。 途端に上がる抗議の声。 けれど、決して楽しくはない記憶の余韻が、この話題にはもう触れたくないと心に訴えていた。 「誰にも言わないからさ、ほんとのとこ、こっそりユフィちゃんに教えてよ」 「もう、ユフィ…お願いだからいい加減にして。怒るよ?」 それでも尚、食い下がるユフィに段々と苛立ちが湧いてくる。 このままだと宿に着くまでこの話題から逃れられそうにない。 (もう…困ったな) 知らずのうちに汗ばんでいた掌をぎゅっと握り、上手い言い逃れはないかと考える。 「ユフィ、もういいじゃない。ティファ、困ってるし、ね?」 柔らかな声が、焦る心を揺らした。 エアリスの華奢な掌がユフィの肩に宥めるように乗せられる。 その瞳がこちらを窺うようにして、視線が重なる。 一瞬の間を置いて、小さく片目が弾かれた。 「エアリスまでっ?何でさー」 「ユフィ、いい子だから」 「ちょっ、子供扱いすんなっ!」 「分かってる。だから…、ね?」 「……分かったよ…チェッ」 エアリスの助け舟で漸くこの詰まる空気から解放される。 安堵の溜め息を吐きながら、そっとエアリスの傍に歩み寄った。 「ありがとうエアリス。助かったわ」 「ううん、もともと、わたしのせい。こっちこそ、ごめんね?」 ユフィに聞こえないように小声で感謝を伝えると、エアリスも申し訳なさそうに小声で返す。 小さく出された舌先が可愛らしくも剽軽(ひょうきん)さを滲ませていて、思わずこちらも笑顔になった。 エアリスのこういうところに……今まで、どれだけ助けられてきたか。 セフィロスを追うという目的の元、旅の間で仲間同士の諍いや衝突が無かったわけじゃなかった。 今のような小さなトラブルなら、それこそ数えきれないくらい。 今まで知り合ったメンバーは皆とても個性的で、それぞれの立場や考え方がまるで違うから、当然と言えばそうなんだけど…。 元アバランチのリーダーで直情型のバレット。 同じく元アバランチメンバーの私。 古代種の末裔で神羅に狙われているエアリス。 コスモキャニオンを守る一族の末裔で高い知能を持つ四足のナナキ。 物知りだけど謎の多いぬいぐるみロボットのケット・シー。 神羅の元技術者でマイペースな物言いのシド。 元タークスで寡黙なヴィンセント。 故郷の為に世界を飛び回るマテリアハンターのユフィ。 そして……私の幼馴染みで元ソルジャー、この旅のリーダーでもあるクラウド。 こんな個性的なメンバーだから、小さな諍いも日常茶飯事だった。 本当はリーダーであるクラウドが皆を纏めるのが一番なんだけど…。 『子供じゃないんだ。揉め事なら他所でやってくれ』 そう言うだけで、いつもの"興味ないね"のポーズで終わり。 あまり関心が無いみたい。 ……仮にもリーダーなんだから、仲間に対してクールすぎるのもどうかと思うんだけど…本人に言ったら機嫌悪くしてしまうのが目に見えるから、あまり大きな声じゃ言えない。 だからいつも、私やエアリスが口を出すんだけど……。 『大体、ティファは説教くさいんだよね~。まるでおかーさん』 ある日、約束を守らなかったユフィを注意したらこんなふうに言われてしまって。 (説教くさい?お母さんみたい?……私が?) 思いがけないユフィの言葉に、一瞬言葉が出なかった。 (……私、もしかして、今までそういう風に皆に見られてたのかしら……。) (エアリスも…バレットも………、クラウドも……?) そう思った途端、恥ずかしくてそれ以上何も言えなくなってしまった。 火照る顔を上げられない。 その時。 『お母さんで結構。ユフィ、今のはティファに失礼よ。謝んなさい』 俯く視線の先、横に並ぶ影に目を凝らす。 はっとして視線を上げると、そこにはいつもの柔らかな笑顔を隠し、凛と佇む美しい姿があった。 『エアリス…』 『ユフィ、お返事は?』 冷たささえ感じる平坦な物言いに、戸惑いを隠せない。 それはユフィも同じだったらしく、驚いた表情でエアリスを見つめていた。 『な…何だよ、偉そうにさ。エアリスには関係ないし!』 『そう…ティファ』 『な、何?』 突然名前を呼ばれて、思わず上擦った声で答える。 いつもの笑顔がそこにあり、その唇が軽やかな音で言葉を紡いだ。 『ユフィ、今日の晩御飯、いらないって』 『なっ…、そんなのヒキョーじゃん!ふざけんなっ!』 『約束守らない子に、言われたくありません。ね?ティファ?』 『え?あ…うん、そうね。…ユフィ、そうするけど、いい?』 途端、抗議の声を上げるユフィを無視しながらまた話を振られて、困惑しつつも一応賛同する。 『う…なんだよ…よってたかってさ…』 泣きそうに歪んだ瞳に、ちくりと胸が小さく痛んだ。 やりすぎた? その時、エアリスの瞳がふわりと緩み、見上げるユフィにそっと囁いた。 『…ユフィ。素直に、ね?』 その諭すような響きは、ずっと幼い頃の思い出を呼び起こす。 "…ティファ、女の子は素直じゃないと、ね?" (…ママ…?) そしてそれは、目の前の少女の心もいとも簡単に溶かしていく。 言葉に詰まったように、少しの間動かなかった唇が小さく開いた。 『…わかった、謝るよ。………ごめんなさい』 『うん、いい子。一緒にご飯、食べよう?』 『うん…』 その後、特に気まずさが残ることもなく、いつも通りの夕食になった。 『エアリス…さっきはありがとう。助かっちゃった』 隣に座るエアリスに言いそびれていた感謝を伝える。 エアリスは笑いながら、軽く片目を弾いて返してくれた。 『ティファ。"お母さん"は偉大、なのよ?』 ……その時のエアリスの言葉、凄く嬉しかった。 エアリス、大好き。 貴女がいてくれて、本当に良かった。 貴女みたいになれたらって、いつだって思ってる。 ずっとずっと、私の憧れだよ。 「ティファ、どうしたの?ぼんやり、だよ?」 「ううん、何でもない」 じんわりと温かくなった心にエアリスの声が重なった。 きょとんとして覗き込む瞳に軽く笑い返す。 「早く宿屋着かないかな~。あーもう!おなか減った!」 「そうね。ユフィ、夕食は何がいい?」 「ティファが作ってくれるんだったら何でもいー」 「もう、ユフィったら」 「適当ね」 少し後ろを歩くユフィの声を背中に聞きながら、エアリスと二人、苦笑しながら相槌を打つ。 その時。 「おい」 低く透き通る声が、夕焼け空に通り抜けて一筋の色を奏でた。 その声色にはっとして顔を上げれば、鮮やかに輝く夕日の中、真っ直ぐに私たちを見つめている一つの影。 逆光に陰る表情はよく分からなかったけれど、向けられた二つの碧だけははっきりと分かる。 ───クラウド。 心臓が、大きく跳ねた。 Next... ![]() |
コメント |
コメントの投稿 |
|
| ホーム |
|