2018-06-04(Mon)

Always Together 4 - Tifa Birthday 2017 -

こんにちは、ももこです。

大変お待たせしましたが、ティファ誕SS第4話をUPします。
超絶久し振り(一年ぶり!)に甘々な二人になります(*´~`*)
本当は甘々のみで構成するつもりだったのですが………どうしたものか、中盤の彼等の登場により雰囲気はそこまで濃くないかもです(^_^;)
それでも最近の更新の中ではかなり甘めになっていますのでお好きな方はご確認下さいませ(*^_^*)
ちなみに、大人向けを予告していたのですが、残念ながら次回に持ち越しになってしましました……すみません(ノ_<)
その代わり、次回はうんとラブラブさせてあげようと思いますのでお楽しみに~ヾ(o´∀`o)ノ
ちなみに、作中に出てくるシド夫妻の遣り取りは完全に私の妄想ですので真に受けちゃ駄目です(^_^;)
見直しまだなので変な所あったらすみません(ノ_<)

それではまた来ますね!
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)

【Warning!】ティファ誕SS第4話です。クラウド視点。今回は先輩夫婦が登場します。それに伴い前半は軽め仕様、甘々展開は後半からとなります。ストライフ家もハイウインド家も、家庭の舵を握るのは奥さんの方だと思います(ノ´▽`*)b☆続きます。6/6修正しました。






Always Together 4




寝室に入ると、ティファはまだ起きていた。

「起きてたのか?」
「うん。お昼寝したからかな、なんだかまだ眠くなくって」

そう言いながらもおそらく俺を待ってくれていたのだろう、湯気の立つカップと輪切りにされたレモンが浮かぶティーポッドを前に、ティファの手は小さな欠伸を隠している。

「そうか」

彼女らしい嘘に緩む口元を隠し、シャツを脱ぎながらその隣に腰掛けた。
ひんやりとした部屋の空気が素肌に触れる。
四月も末だというのに、やはり夜になると日中の暖かさとは打って変わって少し肌寒い。

「寒くないか?」

脱いだ衣類をベッド脇のバスケットに放り投げ、同時に彼女の肩を抱く。
ティファは既にパジャマに着替えていた。
その肩には厚手のガウンが引っ掛けられていたが、予想通り、冷えた感触が掌に伝わってきた。
それでも、当の彼女は小さく笑んだままで首を横に振った。

「ううん、大丈夫。クラウドこそ、そんな格好で平気なの?」

寒くないかと聞きながら、自分はといえばタンクトップにハーフパンツ姿。
不思議そうに首を傾げるティファに肩を竦める。

「俺は暑がりだから、これで丁度良いんだ。楽だしな」
「もう、風邪引いたって知らないんだから」

ぷくりと頬を膨らませ、それからすぐに呆れたように苦笑を漏らすティファ。
何時だって結局そうして甘やかしてくれる彼女を前に、俺の口角は遠慮なく調子づく。


ふと、その手元に置かれているものに気が付いた。

「それ、何?」
「これ?前にお医者様から頂いたの。凄くためになるのよ」

そこには"初めてのマタニティ"と書かれた小冊子。
カラフルな文字やイラストで装飾されたその中に可愛らしい赤ん坊の写真が載っている。

「何が書いてあるんだ?」
「妊娠中に気を付ける事とか、出産の準備とか、色々」
「へえ」
「あと、お母さん達の出産体験とか、生まれたての赤ちゃんの可愛い写真とか。ね、見て」

ティファの手が一枚ずつ丁寧にページを捲る。
その度に現れる愛くるしい笑顔やあどけない寝顔が飾られる一面。
慣れないものを見た時の、なんとも言えない照れを感じてしまう。
それでも。

「可愛いねえ」

隣に添う穏やかな微笑みにつられ、自分もきっと同じような表情をしているのかもしれない。


「そういえば…ふふっ」

ティファが何か思い出したように小さく笑った。

「ティファ?」
「ごめんなさい、ちょっとシエラさんのお話思い出しちゃって」
「シエラ?」

シエラといえばかつてはシドの助手で、現在は彼の妻となり遠く離れたロケット村で暮らしている。
四年前、俺と同じく星痕に罹り一時は危険な状態だったらしいが、教会に湧き出た奇跡の泉によってその命を救われた。
それから間もなくしてシドとの間に子供を儲け、もうすぐ二番目の子供が生まれるらしい。

「シエラがどうかしたのか?」
「ん~、シエラさんというより、シドの方なんだけどね」
「?」

そう言って苦笑しつつ、手元の冊子をパラパラと捲る。

「初めて赤ちゃんが出来た時、シエラさんも同じ冊子を貰ったんですって。それで、シドにこれを見せようとしたんだけど…」

ティファが指差す先には「パートナーへのお願い」と書かれていた。
横からざっと流して見たところ、要するに妊娠中の彼女へ配慮するように、といった男性側に対しての注意書きのようだった。

「シドったら、『そんなの読まなくたって全部分かってる』って言って、シエラさんに突っ返したんですって」
「…?シド、初婚だよな?」
「そうなの。だからシエラさん、シドの過去を疑っちゃって。それで大喧嘩しちゃって大変だったらしいわ。シドは否定したみたいだけど」
「……」

ティファの話を聞きながらシドの破天荒振りを思い出すが、ああ見えてシドはそういった事には倫理的な気がする。

「で、結局どうだったんだ?」

先を促すとティファが笑いながら肩を竦めた。

「勿論、違ったみたい。シド、これに書いてある事と全然違ったらしいから」
「どういう事だ?」
「シドったら、シエラさんが何かしようと動く度に『いいから黙って座ってろ』って、彼女の代わりに家事でも買い物でも全部一人でしようとしたみたい」
「全部って……食事や掃除も?」
「うん。妊娠してるっていっても、病気じゃないんだから一から十まで気を遣って貰う事はないのにって、シエラさん笑ってたわ。結局、ただの先入観が暴走したって訳」
「そういう事か」

話のオチにその時の状況が思い浮かんで思わず笑ってしまった。
まあ、シドらしいと言えばそうかもしれない。

「ね、笑っちゃうでしょ?」
「そうだな」
「で、クラウドはどうするの?」
「?」
「これ、読んでみる?」
「ああ。俺も初めてだし……って、当然だけど」
「うん、分かってる。疑ったりしないよ」
「良かった」
「ふふっ」

畳んだ冊子を手に悪戯な目線を投げ掛けてくるティファに、苦笑しながら頷いた。




それからティファと二人でカップ一杯分のレモネードを寝酒の代わりに分け合った。

「そろそろ寝る?」
「そうだな」

カップをサイドテーブルに置き、ティファがガウンをシーツに落とす。

「やっぱり寒いね…」

部屋の空気にティファの肩がふるりと震える。

「ティファは寒がりだよな」
「しょうがないじゃない。体質なんだもの」

ぷく、と頬を膨らませるティファ。
その肩に乗せた手に力を込めて引き寄せ、腰を抱いた。

「じゃあ、こうすればいい」
「え?…きゃっ」

耳元に聴こえる小さな悲鳴を後に残し、そのまま手を肩から後頭部に滑らせて上掛けにしている毛布を被りながら彼女ごとシーツに沈む。
一瞬のうちに視界から色が消えて、代わりに滑らかな感触が全身を包んだ。

「───……」

そのままで呼吸を数回───ガウンがベッドの上から滑り落ちる音と共に、ぽすり、と、ティファの手が背中に落ちた。

「……もう、いきなり。びっくりするじゃない」
「ごめん。でも、ちゃんとあったかいだろ?」
「それはそうだけど……」
「なら、良いんじゃないか」
「そういうもの?」
「多分」

ティファの抗議の声と温もりを胸に引き寄せ閉じ込める。
散らばる黒髪の流れるような指通りを味わいながら、そこから覗き見えるふっくらとした耳たぶに唇を落とした。

「ん」

わざと水音を残して離れると、ティファが擽ったそうに肩を竦めた。
けれど、背中に回る彼女の腕はしっかりと俺を包んでくれたままだ。
それに気を良くして、今度は目元に滑らせた。

「ティファ……」

微かに震える睫毛の先に口付けて名前を呼べば、首筋に掛かる吐息が震えるように肌を撫でた。
二人分の体温で温まった空気の中に、仄かなレモンがふわりと香る。

背中を撫でる指先。
それがあまりにも優しくて。

「好きだよ」
「……私も」

見つめた先の微笑みに、瞼を閉じて唇を寄せた。

なだらかな頬の線を辿り重ねる間際、互いの鼻先がこつんと触れる。
重なる柔らかなそことは違う、まだ冷たさの残るそれを、せめて同じ温度にするようにして深く重ね合わせれば、それは瞬く間に全身に伝播する濃くて甘い蜜のようで。


Next…Always Together 5


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