2016-02-15(Mon)
Your Heart 6
こんにちは、ももこです。
"Your Heart 6"書きましたのでUPします。
今回は前回と打って変わってシリアスです。
ヴィンセントを出張らせたら必然的にそうなっちゃいました(^_^;)
ヴィンセント難しいな~原作でもセリフが哲学的&抽象的で言いたいことを理解するのに少し考えてしまうこともしばしば。
DCはまだプレイしていませんが、プレイしてたらもう少し彼を上手く表現出来たかもしれません。
この頃のクラウドとヴィンセント、あんまり仲良くなさそうと思ったのでこんな感じになりました(^_^;)
お互い何かと牽制し合ってそう…似た者同士?
ACではクラウドが性格暗かったせいもあるかもしれませんが、"似てるな~この二人兄弟みたい"と思ってました(^^)
あと、本編では三人パーティ固定だったんですが、別に四人でも良いよね??と勝手にゲームの仕様を変えています(^_^;)
……だって、三人固定だとレベル上げ大変だったんだもの……せめて四人仕様にしてくれればと何度思った事か・゚・(つД`)・゚・
リメイクでは10のようにメンバーの入れ替え出来ればレベル揃って楽なんですけど、アクションじゃそうもいかないよね(ノ_<)
もうこうなったら九人全員でボコりましょう(*´∀`人 ♪
後で手直しするかもしれませんが、その時はまたお知らせします。
お話の展開自体は変わりませんのでご安心下さい(^^)
それではまた来ますね!
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)
アンケートもご協力感謝致します~(* ´ ▽ ` *)
【Warning!】"Your Heart 5"の続きです。本編沿いのティファ視点。ヴィンセントが出張っているせいかシリアスです。続きます。
Your Heart 6
『わあったよ。お前らが良いなら、そりゃあ仕方ねえよな』
シドが大きく息を吐きながら両手を挙げる。
クラウドから私へと顔を移し、確認の意味を込めるように頷いた。
それに応えてクラウドと私も返事を返す。
他の皆もお互いに小さく頷き合って了解の意味を示した。
『話は纏まったな。それじゃ、そろそろ出発する。皆、用意は良いか?』
クラウドが壁に沿っていた背中を離し、号令をかけようとした───その時。
『……私からも良いだろうか』
反対側の壁際から聞こえてきた、低く落ち着いた声音が私たちの動きを止めた。
『ヴィンセント?』
その声の主はヴィンセント・ヴァレンタイン。
赤いマントと長い黒髪、白磁の肌と深紅に染まる瞳を持つ、とても寡黙な男の人。
ニブルヘイムで出会った彼は、元タークスなだけあって色々な情報を私たちにもたらしてくれた。
けれど、普段は必要な事以外は殆ど口を開かず私たちの会話をただ眺めているだけで、彼の方から話しかけてくる事は滅多に無かった。
私たちも、まだ仲間になって日が浅い彼との距離に馴れないものを感じていた。
それはクラウドも同じらしく、ヴィンセントの素性も相まってまだ彼に完全に警戒を解いていないように見えた。
だから、彼の方へ意識を向けるクラウドの瞳は鋭さを保ったまま。
『…どうした?』
『……』
クラウドの声に少しの間考えるように目線を落とした後、その深紅の瞳がすっと煌めいた。
瞬き一つ、薄い色素の唇が静かに開く。
『……ならば、四人で行動すれば良いのではないか?』
『四人?』
『お前と、エアリス、ユフィ、それに…ティファ』
『───』
ヴィンセントの提案にその場の空気が一瞬止まる。
クラウドを始め皆の動きがぴたりと止まり、私も思わず目を瞬いた。
そして考える───ヴィンセントの言葉の意味を。
(クラウド達と……私?)
あ、と声が出た。
『今まで三人パーティ固定だったが、別に四人でも大してバランスは変わらないだろう』
落ち着いたヴィンセントの言葉に納得する。
考えてみれば、そもそも三人でと決めつけていたけれど。
(誰かと交換するんじゃなくて……四人で、一緒に?)
『……その方法なら問題無いと思うのだが?』
目を細め、静かにじっと伺うヴィンセント。
虚を突かれたように、クラウドの表情が僅かに動く。
『───それは…』
『そっか、そうよね。その手があったわよね!』
言葉を詰まらせるクラウドに被さるように、エアリスがポンッと手を叩いて立ち上がった。
目を瞠るユフィと私の顔を交互に見ながらすぐにまたしゃがみ込み、花の綻ぶような笑顔で私たちの肩をギュッと抱き締める。
『何で、今まで気付かなかったのかしら。クラウド、わたし、ティファやユフィと一緒が良いな』
その笑顔をクラウドへ向けて、手を合わせながら強請るように片目を瞑る。
可愛いその仕草に、戸惑うように彼も声を詰まらせる。
『いや、しかし…』
『リーダーお願い、ダメ?』
『そう言われてもな…』
『ね?ね~?』
『…、…』
『…もう!クラウド、石頭ね!』
中々折れない彼に業を煮やしたのか、笑顔を引っ込めてさっと立ち上がるエアリス。
腰に手を当てながら彼に詰め寄っていく。
『石頭って、おい、エア…』
『良いじゃない!融通利かない男子、嫌われるわよ?』
見る見るうちに壁際へと追い込まれていくクラウド。
まるで言うことを聞かない弟にお説教するように、頬を膨らませその鼻先へと人差し指を突き出した。
『きっと、ツンツン通り越して、カッチンコッチンね。そのチョコボ頭は』
『チョコボ頭…』
ね、ティファ?と眉尻を上げながら抗議するエアリスの口撃にタジタジのクラウド。
その金髪に皆の視線が集まる。
『な、何だよ』
それを受けて途端に引き締める彼の表情、けれどその瞳は明らかに泳いでいた。
あっけにとられていた皆の口元が次第に緩み始める。
隣で大人しくしていたユフィが小さく"ザマーミロ"と舌を出すのが見えた。
こんなクラウド、滅多にお目にかかれない。
さっきのユフィとの攻防が嘘みたい。
目の前のやり取りを眺めているうちに、何だか私も次第に可笑しくなってきた。
『そうね。私も、エアリスと一緒にいたいよ』
口にする言葉と共に、自然と心が綻んでいく。
『でしょ?やっぱり~』
『でも…』
ちらりとクラウドに視線を向ける。
相変わらず顰め面で睨むように皆へ視線を彷徨わせている彼。
───クラウドが、良いって言う訳、ないよ。
クラウドが頑なになっているのは私のせいだから。
彼がYESと言うはずない。
『クラウド、良いでしょ?』
こんな私たちの複雑な関係を知らないエアリスの言葉。
答えが分かりきっているだけに、その純粋さがちくりと心に沁みる。
その沁みが綻んだ心にジワリと沈んで瞬く間に淀んでいく。
『…ティファ、は…』
案の定、クラウドの躊躇うような響き。
堪らず目線を俯けた。
エアリス、ありがとう……でも、もう良いの。
……クラウド、困らせてごめんなさい。
心の中で二人に伝えながら、そっと目を閉じる。
『……最も、お前に不都合が無ければの話だが』
閉じた視界の中、不意にヴィンセントが口を開いた。
その声に目を開けると、怜悧な瞳の見つめる先にあるのは───クラウドだった。
『……どういう意味だ?』
感情の読めない静かな視線を受け止めたクラウドが、怪訝な表情で聞き返す。
それに口元を微かに上げて、ヴィンセントが低く答えた。
『それは私が答えるべき事ではない。お前自身に聞いてみるのだな』
『………』
意味深な言葉を受けて、クラウドが押し黙った。
(ヴィンセント…?)
彼の言葉の意味は、私も心当たりがある。
ヴィンセントは黙ったままクラウドを見ていた。
もしかしたら………ヴィンセントは気付いているのかもしれない。
私とクラウドの間の溝に。
『不都合なんて、別に……』
『なら、四人で組めば良いだろう。簡単な事だ』
『………』
『どういうこと?』
目の前のやり取りに置いてけぼりを食らったエアリスが首を傾げた。
不思議そうにクラウドとヴィンセントを交互に見やる。
『ティファ?どしたん?』
ユフィが動かなくなった私の腕をツンツンと指で刺す。
『…何でもないよ』
ユフィにはそう言ったけれど、心の中は泣きそうだった。
こんな個人的な事、仲間には知られたくなかった。
ヴィンセントに限って不用意に漏らす事は無いだろうけど……。
皆には……彼女には、絶対に知られたくない。
『ヴィンセント。クラウド困ってるわ。もう止めて』
立ち上がり、二人の間に挟まった。
クラウドへ背を向けるようにして、ヴィンセントと向かい合う。
真正面から交わった深紅の瞳は逸らされる事は無く、心の中を見透かされるような錯覚を覚えて知らずのうちに喉が鳴る。
『…良いのか?』
『…ええ』
射抜くような鋭さに、負けないように引き結んだ唇に力を入れた。
『………』
そうして少しの沈黙の後、その瞳が不意に逸らされた。
赤いマントを翻し、佇む私の傍をすり抜けてクラウドの方へ向かっていく。
『ヴィンセント…!』
振り向く私の目線の先で、クラウドに向けられた彼の言葉に鼓動が跳ねた。
『ティファに救われたな。……皮肉な事だ』
『……っ!』
握られたクラウドの拳がギリリと鳴った。
Next...
"Your Heart 6"書きましたのでUPします。
今回は前回と打って変わってシリアスです。
ヴィンセントを出張らせたら必然的にそうなっちゃいました(^_^;)
ヴィンセント難しいな~原作でもセリフが哲学的&抽象的で言いたいことを理解するのに少し考えてしまうこともしばしば。
DCはまだプレイしていませんが、プレイしてたらもう少し彼を上手く表現出来たかもしれません。
この頃のクラウドとヴィンセント、あんまり仲良くなさそうと思ったのでこんな感じになりました(^_^;)
お互い何かと牽制し合ってそう…似た者同士?
ACではクラウドが性格暗かったせいもあるかもしれませんが、"似てるな~この二人兄弟みたい"と思ってました(^^)
あと、本編では三人パーティ固定だったんですが、別に四人でも良いよね??と勝手にゲームの仕様を変えています(^_^;)
……だって、三人固定だとレベル上げ大変だったんだもの……せめて四人仕様にしてくれればと何度思った事か・゚・(つД`)・゚・
リメイクでは10のようにメンバーの入れ替え出来ればレベル揃って楽なんですけど、アクションじゃそうもいかないよね(ノ_<)
もうこうなったら九人全員でボコりましょう(*´∀`人 ♪
後で手直しするかもしれませんが、その時はまたお知らせします。
お話の展開自体は変わりませんのでご安心下さい(^^)
それではまた来ますね!
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)
アンケートもご協力感謝致します~(* ´ ▽ ` *)
【Warning!】"Your Heart 5"の続きです。本編沿いのティファ視点。ヴィンセントが出張っているせいかシリアスです。続きます。
Your Heart 6
『わあったよ。お前らが良いなら、そりゃあ仕方ねえよな』
シドが大きく息を吐きながら両手を挙げる。
クラウドから私へと顔を移し、確認の意味を込めるように頷いた。
それに応えてクラウドと私も返事を返す。
他の皆もお互いに小さく頷き合って了解の意味を示した。
『話は纏まったな。それじゃ、そろそろ出発する。皆、用意は良いか?』
クラウドが壁に沿っていた背中を離し、号令をかけようとした───その時。
『……私からも良いだろうか』
反対側の壁際から聞こえてきた、低く落ち着いた声音が私たちの動きを止めた。
『ヴィンセント?』
その声の主はヴィンセント・ヴァレンタイン。
赤いマントと長い黒髪、白磁の肌と深紅に染まる瞳を持つ、とても寡黙な男の人。
ニブルヘイムで出会った彼は、元タークスなだけあって色々な情報を私たちにもたらしてくれた。
けれど、普段は必要な事以外は殆ど口を開かず私たちの会話をただ眺めているだけで、彼の方から話しかけてくる事は滅多に無かった。
私たちも、まだ仲間になって日が浅い彼との距離に馴れないものを感じていた。
それはクラウドも同じらしく、ヴィンセントの素性も相まってまだ彼に完全に警戒を解いていないように見えた。
だから、彼の方へ意識を向けるクラウドの瞳は鋭さを保ったまま。
『…どうした?』
『……』
クラウドの声に少しの間考えるように目線を落とした後、その深紅の瞳がすっと煌めいた。
瞬き一つ、薄い色素の唇が静かに開く。
『……ならば、四人で行動すれば良いのではないか?』
『四人?』
『お前と、エアリス、ユフィ、それに…ティファ』
『───』
ヴィンセントの提案にその場の空気が一瞬止まる。
クラウドを始め皆の動きがぴたりと止まり、私も思わず目を瞬いた。
そして考える───ヴィンセントの言葉の意味を。
(クラウド達と……私?)
あ、と声が出た。
『今まで三人パーティ固定だったが、別に四人でも大してバランスは変わらないだろう』
落ち着いたヴィンセントの言葉に納得する。
考えてみれば、そもそも三人でと決めつけていたけれど。
(誰かと交換するんじゃなくて……四人で、一緒に?)
『……その方法なら問題無いと思うのだが?』
目を細め、静かにじっと伺うヴィンセント。
虚を突かれたように、クラウドの表情が僅かに動く。
『───それは…』
『そっか、そうよね。その手があったわよね!』
言葉を詰まらせるクラウドに被さるように、エアリスがポンッと手を叩いて立ち上がった。
目を瞠るユフィと私の顔を交互に見ながらすぐにまたしゃがみ込み、花の綻ぶような笑顔で私たちの肩をギュッと抱き締める。
『何で、今まで気付かなかったのかしら。クラウド、わたし、ティファやユフィと一緒が良いな』
その笑顔をクラウドへ向けて、手を合わせながら強請るように片目を瞑る。
可愛いその仕草に、戸惑うように彼も声を詰まらせる。
『いや、しかし…』
『リーダーお願い、ダメ?』
『そう言われてもな…』
『ね?ね~?』
『…、…』
『…もう!クラウド、石頭ね!』
中々折れない彼に業を煮やしたのか、笑顔を引っ込めてさっと立ち上がるエアリス。
腰に手を当てながら彼に詰め寄っていく。
『石頭って、おい、エア…』
『良いじゃない!融通利かない男子、嫌われるわよ?』
見る見るうちに壁際へと追い込まれていくクラウド。
まるで言うことを聞かない弟にお説教するように、頬を膨らませその鼻先へと人差し指を突き出した。
『きっと、ツンツン通り越して、カッチンコッチンね。そのチョコボ頭は』
『チョコボ頭…』
ね、ティファ?と眉尻を上げながら抗議するエアリスの口撃にタジタジのクラウド。
その金髪に皆の視線が集まる。
『な、何だよ』
それを受けて途端に引き締める彼の表情、けれどその瞳は明らかに泳いでいた。
あっけにとられていた皆の口元が次第に緩み始める。
隣で大人しくしていたユフィが小さく"ザマーミロ"と舌を出すのが見えた。
こんなクラウド、滅多にお目にかかれない。
さっきのユフィとの攻防が嘘みたい。
目の前のやり取りを眺めているうちに、何だか私も次第に可笑しくなってきた。
『そうね。私も、エアリスと一緒にいたいよ』
口にする言葉と共に、自然と心が綻んでいく。
『でしょ?やっぱり~』
『でも…』
ちらりとクラウドに視線を向ける。
相変わらず顰め面で睨むように皆へ視線を彷徨わせている彼。
───クラウドが、良いって言う訳、ないよ。
クラウドが頑なになっているのは私のせいだから。
彼がYESと言うはずない。
『クラウド、良いでしょ?』
こんな私たちの複雑な関係を知らないエアリスの言葉。
答えが分かりきっているだけに、その純粋さがちくりと心に沁みる。
その沁みが綻んだ心にジワリと沈んで瞬く間に淀んでいく。
『…ティファ、は…』
案の定、クラウドの躊躇うような響き。
堪らず目線を俯けた。
エアリス、ありがとう……でも、もう良いの。
……クラウド、困らせてごめんなさい。
心の中で二人に伝えながら、そっと目を閉じる。
『……最も、お前に不都合が無ければの話だが』
閉じた視界の中、不意にヴィンセントが口を開いた。
その声に目を開けると、怜悧な瞳の見つめる先にあるのは───クラウドだった。
『……どういう意味だ?』
感情の読めない静かな視線を受け止めたクラウドが、怪訝な表情で聞き返す。
それに口元を微かに上げて、ヴィンセントが低く答えた。
『それは私が答えるべき事ではない。お前自身に聞いてみるのだな』
『………』
意味深な言葉を受けて、クラウドが押し黙った。
(ヴィンセント…?)
彼の言葉の意味は、私も心当たりがある。
ヴィンセントは黙ったままクラウドを見ていた。
もしかしたら………ヴィンセントは気付いているのかもしれない。
私とクラウドの間の溝に。
『不都合なんて、別に……』
『なら、四人で組めば良いだろう。簡単な事だ』
『………』
『どういうこと?』
目の前のやり取りに置いてけぼりを食らったエアリスが首を傾げた。
不思議そうにクラウドとヴィンセントを交互に見やる。
『ティファ?どしたん?』
ユフィが動かなくなった私の腕をツンツンと指で刺す。
『…何でもないよ』
ユフィにはそう言ったけれど、心の中は泣きそうだった。
こんな個人的な事、仲間には知られたくなかった。
ヴィンセントに限って不用意に漏らす事は無いだろうけど……。
皆には……彼女には、絶対に知られたくない。
『ヴィンセント。クラウド困ってるわ。もう止めて』
立ち上がり、二人の間に挟まった。
クラウドへ背を向けるようにして、ヴィンセントと向かい合う。
真正面から交わった深紅の瞳は逸らされる事は無く、心の中を見透かされるような錯覚を覚えて知らずのうちに喉が鳴る。
『…良いのか?』
『…ええ』
射抜くような鋭さに、負けないように引き結んだ唇に力を入れた。
『………』
そうして少しの沈黙の後、その瞳が不意に逸らされた。
赤いマントを翻し、佇む私の傍をすり抜けてクラウドの方へ向かっていく。
『ヴィンセント…!』
振り向く私の目線の先で、クラウドに向けられた彼の言葉に鼓動が跳ねた。
『ティファに救われたな。……皮肉な事だ』
『……っ!』
握られたクラウドの拳がギリリと鳴った。
Next...
