七つ星 -NANATSUBOSHI-

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Your Heart 8

こんにちは、ももこです。

本編SS第8話UPします。
今までずっとACのラブラブクラティだったので、素っ気なさMAXの本編Ver.に頭切り替えるのに時間かかっちゃいました(^_^;)
違和感なく書けたかな…??
本編だとクラティ以外にユフィやエアリス、他のキャラとの掛け合いが書けるので凄く楽しいです(*^_^*)
特に、クラウドとユフィは止まらなくなる……好きですこの二人(*^^)v
今回から時間軸は現在に戻りました。
妄想の赴くまま新しい展開にどんどん進んでいく予定ですのでお楽しみに~(*^^)v
さて、お次はいよいよ戦闘シーンだ……上手く書けるかな??
解体真書引っ張り出して色々と読み込まなくちゃ(^_^;)

それではまた来ますね!
拍手&閲覧、アンケートのご協力ありがとうございました(*^_^*)

【Warning!】本編SS第8話です。時間軸が現在に戻ってます。今回はCP要素は薄め、ユフィとエアリス多いです。クラウドも少し。ユフィのお蔭で雰囲気は割と明るいです(*^_^*)続きます。






Your Heart 8



遥か山の向こうに沈みゆく夕陽。
今日一日を一際鮮やかに包み込む、終わりの輝き。
眩い程濃く輝く黄金色を纏う、力強い背中を見つめる。

「……本当は納得していなかったと思うの。私が付いていく事……クラウドは。メンバーが一人増えた事で彼の負担が増えちゃったんだもの。……良く思っていないのも当然だわ」
「ティファ…」

今朝の出来事を思い出しながらぽつりと呟く私に、エアリスの大きな瞳が向けられる。
慰めるように背中に廻された彼女の掌。
触れたそこから彼女の温もりと優しさが伝わってきて、涙腺が緩みそうになる。
けれど、それをぐっと堪えて小さな笑顔を作った。

「だからね、私、今日一日はクラウドの……ううん、皆の負担にならないように頑張るつもり。宿まであと少しだけど、それまでよろしくね。エアリス、ユフィ」

にこりと、両隣に向ける。

「うん。わたしこそ、ティファがいてくれて、すごく嬉しい。一緒に頑張ろ!」
「ユフィちゃんも以下同文~」

それに応える、柔らかく明るい彼女達の笑顔。

「ありがとう、二人とも」

胸に染み入る温かさに、今度は大きく笑顔を向けた。





「おっ!村の灯り、発見~!」

足早に進む中、それまでしきりに空腹を訴えていたユフィの眼がキラリと大きく瞬いた。
先程までの重い足取りはどこへやら、飛び上がり嬉しそうに前方を指差す。
それを辿れば、まだ距離はあるけれど小さな光が幾つもの点を繋いでいた。

「あ、ホントだ。よかった~暗くなる前に着いて」
「そうね」

長い道中、やっと一息吐ける安堵感に自然と笑みが零れる。

「皆、もう着いてるかな?」
「多分ね。私達より寄り道してないだろうし……」
「よおっしゃ!!やっとご飯にありつける~!!」

ひそひそ話す私とエアリスの横で、大きく伸びをしながらユフィがピョンと高く飛び上がる。
着地の勢いそのままに、一気に駆け出した。

「ユフィ!待って!危ないわよ」
「へーきへーきぃ!じゃーねー!」

腕をぶんぶんと元気良く振り回しながら、その背中がみるみる小さくなる。

「……あらら、行っちゃった。よっぽど、お腹が空いていたのね。凄い勢い」
「もう…」

猪突猛進とはこの事だろうか。
私達の制止も聞かないままの勢いで、前を行くクラウドにあっという間に追いついてしまった。

「へっへ~ん!リーダー、おっ先~!」

軽口を言いながら、クラウドの右肩をドンと叩く。

「っ…、おい…!」

かなり衝撃が強かったのか、押された勢いで彼の背がグラリと沈んだ。
けれどすぐさま体制を立て直し、逃げようとする少女の腕を捉えた。

「って!」

今度はユフィの身体が後ろに大きく仰け反った。
たたらを踏んで何とか体制を立て直す。

「ちょっ、何すんだよ!」
「お前こそどういうつもりだ。勝手な行動はするなと言ったはずだ」

掴んだ腕をぐいと引き、華奢な身体を自分の後方に押し戻しながらクラウドが凄む。

「あんだよ!アタシなら一人でも平気だもん。伊達にウータイで育っちゃいないよ!」

掴んだクラウドの手を振り払いながら、彼女も負けじと彼を睨みつけた。

「勘違いするな。お前の事を心配しているんじゃない」
「ふーん。じゃあほっとけば?」

小さな身体をずい、と伸ばし、自分よりも上背のあるクラウドを見上げるユフィ。
それを見下ろす、碧い魔晄の瞳が一段と冷ややかに細まった。

「……ここはまだモンスターも多いんだ。お前一人の好き勝手で俺達まで危険に晒されたらどうする。もう少し周りに気を遣え」
「はあ?そんなコト言われる筋合い無いね~特にアンタには」
「…何だと?」
「あんだよ!」

一触即発。
草原の真ん中で、睨み合う二人。

「また始まっちゃった、ね」
「そうね…」

彼らから距離を置き、溜め息を吐く私の横でエアリスが苦笑する。
今日一日だけで何度こんなやり取りが繰り返されただろう。

………私がパーティから外れている間、このメンバーはずっとこんな感じだったのだろうか。

「苦労するわね。エアリス、あなたも」

ちらりと、隣の彼女に同情の眼差しを向ける。

「そお?結構おもしろいよ?兄妹みたいで」
「兄妹、ね。仲悪そうだけど」
「別に、悪くないと思うよ?むしろ、良いんじゃないかな」
「そうかな…」
「ほら、"ケンカするほど、仲が良い"って、よく言うじゃない」

クスクスと面白そうに笑いながら、向こうで言い合っている二人を見つめる。
端から見ればいがみ合っている二人にしか見えないけれど……いつも一緒にいるエアリスが言うなら、そうなんだろう。

「あなたが言うなら、そうかもね」
「うん、そうだよ」
「じゃあ、私達も二人の喧嘩に参加してみる?今以上にもっと仲良くなれるかも」
「やだ、ティファったら。ふふっ」

私の冗談にエアリスが笑う。
無邪気な彼女の笑顔を確認し、それから例の二人に目線を戻した。

「冗談はさておき……そろそろあの二人を止めないとね。このままだと日が暮れちゃうわ」
「そうね」

エアリスと二人、歩き出す。

「こら~!ケンカはもうお終い!」

歩きながらエアリスが大きな声で二人の間に割って入った。
驚いたように肩を震わせる二人。

「これ以上ケンカしたら、二人とも晩御飯ヌキですからね~!」

エアリス得意の仲裁が広大な草原に響き渡る。
それを隣で聞きながら、今しがたの自分の言葉を反芻した。

(もっと仲良くなれるかも……か)


───なんであんな事言ってしまったんだろう。

そんな事、今の私達に出来る訳無いのに……。


自嘲に、口角が上がる。




(……そうだよ)

(出来る訳、無いじゃない)


───こんな臆病な私が。

彼を……クラウドを、真っ直ぐに見る事の出来ない私が。

あの碧い瞳から逃げてばかりの、この私が………。


(……でも)




「ちょ、エアリス!それはナシだってば!」
「嫌ならケンカ、止めなさい。ユフィ、あなたちょっとワガママよ。ほら、クラウドも、意地張らない」
「俺は、別に」
「クラウド、言い訳しないの。男、でしょ?」
「………」

馴れたように二人を諌めるエアリス。

まるで母親のような彼女の言葉に、クラウドもユフィも途端に大人しくなってしまった。


そんな三人のやり取りをを少し後ろから眺めながら……思う。




もし……ユフィやエアリスのように、気持ちのままに彼にぶつかることが出来たなら。


(……もしかしたら……違ってたのかな……?)



いつの間にか、止まってしまっていた足。


眼の前では、追いついたエアリスが二人と小さな輪を作っていた。


(………)


あと数歩進めば、追いつく彼らとの距離。


けれど、そんな些細な距離が、とても遠く感じられた。




「ティファ~」
「……!」

呼ぶエアリスの声に、はっと意識を戻す。
そこには、言い合いを終えたのであろうクラウドとユフィが互いに顔を逸らしながら、それでも大人しく佇んでいた。
その二人の真ん中に、爽やかな笑顔のエアリスが手を振って私を見ていた。

(…駄目よ。しっかりしなくちゃ。こんな事で悩んでいる時じゃない)

「あ、うん」

慌てて答えながら、一歩踏み出す。


その時。


「……待て!」

突然、クラウドが声を上げた。

「ど~したの?」
「しっ」

大きな瞳を瞬かせ問うエアリスを片手で制し、辺りを窺う。
同時に、私も歩みを止めた。

(クラウド…?)

只ならぬ緊張感に、音を立てないように周りを見渡す。
ユフィも同様に、護るようにエアリスを真ん中に立たせたまま、クラウドと背中合わせになった。

「……何か気配がする」
「それって、モンスター?」
「マジで~。も~めんどい!」

今私達がいるのはロケット村に近い草原の真ん中。
辺りには岩場が数か所あるだけで、見通しは悪くない。

(モンスター…?)

このエリアに生息するモンスターは比較的身体が大きい。
だから、もし近くにそれらが近づいてきたとしてもすぐに発見出来る。
………けれど。

「なに?なにも、いないみたいだけど…」

護身用のロッドを身構えながら、戸惑うようにエアリスが言う。


「………」

す、とクラウドの右手が動いた。

背中に背負う大剣の柄に指が掛かる。

「……ティファ、ユフィ」
「……ええ」
「はいよ~」

クラウドが背中の大剣を抜き取り、静かに構えた。
それに続き、ユフィが手裏剣を、私もグローブを嵌め直す。
互いに息を殺して、静寂の中感覚を研ぎ澄ます。


………何か、いる。


「………」


黄金色に染まる草原に、一陣の風が吹いた。



「───下だ!」

クラウドの鋭い号令を合図に、一斉にそこから飛び退く。

「なっ…!」
「きゃああっ」

足元に生い茂る草花を無残に散らし、もぞもぞと地べたに這う無数の影。


「何でコイツらがここにいんのさ!」


姿を現したのは。


「いや!気持ち悪いっ」


このエリアにはいないはずの、足斬草と怪奇虫の大群だった。



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