2016-02-28(Sun)
CHOCOLATE SOLDIERS 1 - Valentine's Day 2016 -
こんにちは、ももこです。
バレンタインSSの1ページ目UPします。
本当はちゃんと完結させてからUPしたかったんですが、書いていくうちに長くなりそうだと思ったので、更新を優先して分割UPにしました(>_<)
続き物2つになってしまいましたが、バレンタインの方はそんなに長くするつもりはないので先にこっちを完結させたいと思います。
最近ペンタブの調子が悪くイラスト描けていなかったんですが、今日はなんとか描けたのでAC観ながら練習してましたo(o・`з・´o)ノ
ACクラウド相変わらずイケメン過ぎて描きづらいよ(^_^;)
TVの大画面でクラウドのUP映ると照れてしまって直視出来ないレベル(〃ノωノ)
夜にクラウドが迫ってきたらティファもそりゃあ照れまくって目を逸らしちゃいますね、ちゅうすら出来ないとか…同居初期なんかはお互い馴れてないので特にね。
んで、クラウドが「俺とするの嫌??嫌いになった(;д;)??」って勘違いして問題勃発、とかね(ノ_<)
………こんなバカップル、良いと思うのは私だけでしょうか(^_^;)
あ、ちなみに、アンケートの結果ですが、本編:AC=4:9でした。
本編はあんまり無いかな~と思ったんですが意外に入ったので、いつか機会がありましたら書きたいと思います(^^)
ご協力下さった皆様に心より感謝申し上げます(* ´ ▽ ` *)
それではまた来ますね!
次回の更新は多分大人向け描写入ります…あまり期待せずにお待ち下さい(苦笑)
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)
【Warning!】2016バレンタインSSです。ACから2年後くらい、DC後と思って頂ければ結構です。両想いクラティですが、今回は過去話なので本編前半の関係に近いです…萌えが少なくてすみません(^_^;)エアリス絡みなので苦手な方は十分にご注意下さい。ティファ視点。続きます。
『へえ、ヴィンセントって、セカンドネーム"ヴァレンタイン"って、いうのね』
セフィロスを追う旅の途中。
故郷であるニブルヘイムを出立し、続く険しい山道に行く手を阻まれながら何とか無事に平原へと抜けた時、すぐ前を歩くエアリスの声を聞いた。
『……何か?』
その隣を歩くヴィンセントが低く問う。
先のニブルヘイムで出会った彼の名前を嬉しそうに口にするエアリスに答える声音は少しの抑揚も感じられない。
向けられる隙のない眼光と共に発せられた声は聞く者を圧倒する色を持っているのに、それをまるで意に介さないようにエアリスがまた笑顔になる。
『ロマンチックな名前だなあって、思って。ね、ティファ、そう思わない?』
『え?あ…うん、そうね。素敵な名前だと思うわ』
『………』
いきなり話を振られて驚きつつも同意した私に、エアリスの笑顔とヴィンセントの無感情な瞳が同時に集まり困惑する。
『……別に珍しくもない。たまたまそこに生を受けたというだけだ』
『それはそうだけど、ね。ありがと、ヴィンセント。また、お話しよ』
にべもなく言い放つヴィンセントに小さな舌をぺろりと出し、エアリスが歩調を緩めて私の隣へと並んだ。
振り向きもせず黙々と前を行くヴィンセントに軽く手を振って、それから小さく伸びをする。
う~ん、と一息吐いた後、くるりと振り向きまた可愛らしい笑顔を見せた。
『バレンタイン、かあ。ねえ、ティファは誰かにあげたこと、ある?』
『え?あげるって…何を?』
『またまた~。とぼけない、とぼけない。バレンタインと言えば、ね?』
『……』
2月14日、バレンタインデー。
それは世界共通であるらしく、故郷の違う私たちもその日がどういう日なのかもちろん知っている。
地域によってその習慣は様々らしく、私の故郷では近しい人に感謝の気持ちを伝える日とし、毎年花束やちょっとしたアクセサリーなんかを家族や友人同士で贈り合っていた。
エアリスの住むミッドガルでは……女性から男性へ一年で一日だけ、手作りのチョコレートと一緒に恋心を伝えられる日としてとても特別な一日なんだと、前に一度セブンスヘブンの常連さんたちから聞いていた。
今エアリスが言っているのは……多分、後者の方。
『……お花やちょっとした小物くらいなら、あるよ』
『ん~?チョコじゃないの?』
『ニブルヘイムはそういう習慣無かったのよ』
『え、と…じゃあ、告白も?』
『無いとは言えないけど、少なくともそんなにメジャーでは無かったわね。それよりも、家族や友達と一緒に過ごしたりして、普段とそんなに変わらなかったわ』
『え~、そうなの!?』
口元に手を当てて大きく驚くエアリスに小さく苦笑する。
幼い頃からずっとミッドガルの中だけで過ごしていた彼女にはさぞ驚いた事だったろうと思う。
実際、私もミッドガルに来てから2月14日がそんな特別な日だって事を初めて知ったもの。
『それじゃあ、ティファって、今まで一度もチョコあげたこと、ないんだ』
『そうなるわね』
『意外、ね』
『ふふ』
大きな瞳を更に大きくさせながら私の顔をまじまじと見つめるエアリスが可笑しくて声を出す。
エアリスも次第に頬を緩ませ二人でくすくす笑い合う。
ふと、エアリスがぽつりと零した。
『わたしも実は、無いんだ。チョコ、あげたこと』
『え?』
意外だった。
エアリスはいつも綺麗で、どんな時でも女性らしくて。
明るくて人見知りもしない、男性に対しても積極的なんだろうと思っていたから。
今度は逆に、私が彼女の顔をじっと見つめる番になる。
『あげようって思ったこと、一回だけあるんだけど、ね。タイミング、悪かったみたい』
そんな私に、エアリスが殊更明るい声を出しぺろっと舌を覗かせる。
明るく振る舞うその仕草、だけどすぐにそれが小さな影を潜ませている事に気付いてしまう。
───きっと、その人が前に言ってたエアリスの初恋の人なんだね。
今もまだ音信不通のまま、会えていないというその人。
何年も経っているのに、その人は未だ彼女の中に残ってる。
………本当に好きだったんだね、その人の事。
『でもね。もう、いいの』
そう言ってふっと微笑むエアリス。
遠くを映すその瞳は、とても穏やかに見えた。
続く言葉をじっと待つ。
『待ってるだけじゃ、何も変わらないって、気付いたの。私も、ちゃんと前に進まなきゃっ、て』
───ああ、と思った。
彼女は今、恋をしている。
───誰に?
なんて、聞かなくたって分かる。
だって、今彼女が見つめている先には………。
『……チョコあげる人、見つかったんだ?』
自分も知らないうちに、いつの間にか零れていた言葉。
だって………"彼"を見つめる彼女の横顔が、あまりにも綺麗だったから。
驚いたように向けられる瞳。
けれど、すぐにそれは柔らかな形に変わっていく。
艶やかに煌めく翡翠が優しく揺れて、桃色の唇が小さく可憐な弧を描く。
『うん』
CHOCOLATE SOLDIERS 1
「───、……」
ふと目が覚めて瞼を持ち上げると、そこはまだ夜の帳が降りたままの暗色の世界が広がっていた。
ぼんやりとした視界の中でゆっくりと目線を動かす。
すぐに打ちっ放しになったコンクリートの天井が目に入った。
見慣れたそれに、今自分がいるのはエッジにある自分の部屋であると確認する。
「………」
静けさの中、肺に溜まった空気をゆっくりと吐き出だし、瞬きを一つする。
ふと、微かな違和感を瞼に感じた。
もう一度、瞬きをする。
───ぽたり、と。
冷えた肌を滑るのは、温かな一粒の雫。
「…、……」
………そこで初めて、自分が泣いている事に気が付いた。
Next...
バレンタインSSの1ページ目UPします。
本当はちゃんと完結させてからUPしたかったんですが、書いていくうちに長くなりそうだと思ったので、更新を優先して分割UPにしました(>_<)
続き物2つになってしまいましたが、バレンタインの方はそんなに長くするつもりはないので先にこっちを完結させたいと思います。
最近ペンタブの調子が悪くイラスト描けていなかったんですが、今日はなんとか描けたのでAC観ながら練習してましたo(o・`з・´o)ノ
ACクラウド相変わらずイケメン過ぎて描きづらいよ(^_^;)
TVの大画面でクラウドのUP映ると照れてしまって直視出来ないレベル(〃ノωノ)
夜にクラウドが迫ってきたらティファもそりゃあ照れまくって目を逸らしちゃいますね、ちゅうすら出来ないとか…同居初期なんかはお互い馴れてないので特にね。
んで、クラウドが「俺とするの嫌??嫌いになった(;д;)??」って勘違いして問題勃発、とかね(ノ_<)
………こんなバカップル、良いと思うのは私だけでしょうか(^_^;)
あ、ちなみに、アンケートの結果ですが、本編:AC=4:9でした。
本編はあんまり無いかな~と思ったんですが意外に入ったので、いつか機会がありましたら書きたいと思います(^^)
ご協力下さった皆様に心より感謝申し上げます(* ´ ▽ ` *)
それではまた来ますね!
次回の更新は多分大人向け描写入ります…あまり期待せずにお待ち下さい(苦笑)
拍手&閲覧ありがとうございました(*^_^*)
【Warning!】2016バレンタインSSです。ACから2年後くらい、DC後と思って頂ければ結構です。両想いクラティですが、今回は過去話なので本編前半の関係に近いです…萌えが少なくてすみません(^_^;)エアリス絡みなので苦手な方は十分にご注意下さい。ティファ視点。続きます。
『へえ、ヴィンセントって、セカンドネーム"ヴァレンタイン"って、いうのね』
セフィロスを追う旅の途中。
故郷であるニブルヘイムを出立し、続く険しい山道に行く手を阻まれながら何とか無事に平原へと抜けた時、すぐ前を歩くエアリスの声を聞いた。
『……何か?』
その隣を歩くヴィンセントが低く問う。
先のニブルヘイムで出会った彼の名前を嬉しそうに口にするエアリスに答える声音は少しの抑揚も感じられない。
向けられる隙のない眼光と共に発せられた声は聞く者を圧倒する色を持っているのに、それをまるで意に介さないようにエアリスがまた笑顔になる。
『ロマンチックな名前だなあって、思って。ね、ティファ、そう思わない?』
『え?あ…うん、そうね。素敵な名前だと思うわ』
『………』
いきなり話を振られて驚きつつも同意した私に、エアリスの笑顔とヴィンセントの無感情な瞳が同時に集まり困惑する。
『……別に珍しくもない。たまたまそこに生を受けたというだけだ』
『それはそうだけど、ね。ありがと、ヴィンセント。また、お話しよ』
にべもなく言い放つヴィンセントに小さな舌をぺろりと出し、エアリスが歩調を緩めて私の隣へと並んだ。
振り向きもせず黙々と前を行くヴィンセントに軽く手を振って、それから小さく伸びをする。
う~ん、と一息吐いた後、くるりと振り向きまた可愛らしい笑顔を見せた。
『バレンタイン、かあ。ねえ、ティファは誰かにあげたこと、ある?』
『え?あげるって…何を?』
『またまた~。とぼけない、とぼけない。バレンタインと言えば、ね?』
『……』
2月14日、バレンタインデー。
それは世界共通であるらしく、故郷の違う私たちもその日がどういう日なのかもちろん知っている。
地域によってその習慣は様々らしく、私の故郷では近しい人に感謝の気持ちを伝える日とし、毎年花束やちょっとしたアクセサリーなんかを家族や友人同士で贈り合っていた。
エアリスの住むミッドガルでは……女性から男性へ一年で一日だけ、手作りのチョコレートと一緒に恋心を伝えられる日としてとても特別な一日なんだと、前に一度セブンスヘブンの常連さんたちから聞いていた。
今エアリスが言っているのは……多分、後者の方。
『……お花やちょっとした小物くらいなら、あるよ』
『ん~?チョコじゃないの?』
『ニブルヘイムはそういう習慣無かったのよ』
『え、と…じゃあ、告白も?』
『無いとは言えないけど、少なくともそんなにメジャーでは無かったわね。それよりも、家族や友達と一緒に過ごしたりして、普段とそんなに変わらなかったわ』
『え~、そうなの!?』
口元に手を当てて大きく驚くエアリスに小さく苦笑する。
幼い頃からずっとミッドガルの中だけで過ごしていた彼女にはさぞ驚いた事だったろうと思う。
実際、私もミッドガルに来てから2月14日がそんな特別な日だって事を初めて知ったもの。
『それじゃあ、ティファって、今まで一度もチョコあげたこと、ないんだ』
『そうなるわね』
『意外、ね』
『ふふ』
大きな瞳を更に大きくさせながら私の顔をまじまじと見つめるエアリスが可笑しくて声を出す。
エアリスも次第に頬を緩ませ二人でくすくす笑い合う。
ふと、エアリスがぽつりと零した。
『わたしも実は、無いんだ。チョコ、あげたこと』
『え?』
意外だった。
エアリスはいつも綺麗で、どんな時でも女性らしくて。
明るくて人見知りもしない、男性に対しても積極的なんだろうと思っていたから。
今度は逆に、私が彼女の顔をじっと見つめる番になる。
『あげようって思ったこと、一回だけあるんだけど、ね。タイミング、悪かったみたい』
そんな私に、エアリスが殊更明るい声を出しぺろっと舌を覗かせる。
明るく振る舞うその仕草、だけどすぐにそれが小さな影を潜ませている事に気付いてしまう。
───きっと、その人が前に言ってたエアリスの初恋の人なんだね。
今もまだ音信不通のまま、会えていないというその人。
何年も経っているのに、その人は未だ彼女の中に残ってる。
………本当に好きだったんだね、その人の事。
『でもね。もう、いいの』
そう言ってふっと微笑むエアリス。
遠くを映すその瞳は、とても穏やかに見えた。
続く言葉をじっと待つ。
『待ってるだけじゃ、何も変わらないって、気付いたの。私も、ちゃんと前に進まなきゃっ、て』
───ああ、と思った。
彼女は今、恋をしている。
───誰に?
なんて、聞かなくたって分かる。
だって、今彼女が見つめている先には………。
『……チョコあげる人、見つかったんだ?』
自分も知らないうちに、いつの間にか零れていた言葉。
だって………"彼"を見つめる彼女の横顔が、あまりにも綺麗だったから。
驚いたように向けられる瞳。
けれど、すぐにそれは柔らかな形に変わっていく。
艶やかに煌めく翡翠が優しく揺れて、桃色の唇が小さく可憐な弧を描く。
『うん』
CHOCOLATE SOLDIERS 1
「───、……」
ふと目が覚めて瞼を持ち上げると、そこはまだ夜の帳が降りたままの暗色の世界が広がっていた。
ぼんやりとした視界の中でゆっくりと目線を動かす。
すぐに打ちっ放しになったコンクリートの天井が目に入った。
見慣れたそれに、今自分がいるのはエッジにある自分の部屋であると確認する。
「………」
静けさの中、肺に溜まった空気をゆっくりと吐き出だし、瞬きを一つする。
ふと、微かな違和感を瞼に感じた。
もう一度、瞬きをする。
───ぽたり、と。
冷えた肌を滑るのは、温かな一粒の雫。
「…、……」
………そこで初めて、自分が泣いている事に気が付いた。
Next...
